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剛田奇作の部屋


[17] ついてない一日
詩人:剛田奇作 [投票][得票][編集]

今朝は、六年に一度の
燃やしたくても燃やせないゴミの日だったのに

あっさり寝坊した

目玉焼きの黄身の部分を かじったら
パチンコ玉が四つも出てきて

すごく嫌な予感がした

トイレに行くとやっぱり

トランプでできた便器に
落ち武者が座ってるし

散歩に出ると

コンビニの店内から駐車場まで
アマゾネスの家来たちが占拠して
アマゾネスは化粧品を買いあさっているし

母が悪魔にさらわれたと父から電話があり

私の左目と交換だといわれ、赴いたら

新手の詐欺で

環境と中国人に優しい壁紙を
欲しくもないのに買わされて

家に着くと閉め忘れた缶から、お菓子たちが出てきていて

私のお気に入りの恋愛映画を勝手に観て、みんな大号泣しているとこだった

チョコレートが大号泣したせいで
家中がココア色になってしまい

掃除をやっとの思いで終え

こんな日は早く寝るに限ると思って布団をあけると

絶滅危惧種のシベリアトラが先に床についていた

よりによって妊娠中のメスだし…

仕方ないから
シベリア行きの飛行機をネットで予約して

トラを入れる鞄を急遽
特注で作ったので

ヘソクリはなくなるし

けれどシベリア空港にメストラの夫が迎えに来てくれたお陰で
少し助かった

メストラに
オーロラ見ていかない?
って 誘われたけど
明日も早いので断った

ほんとに今日は

全くついてない一日だったなぁ



2008/12/10 (Wed)

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