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剛田奇作の部屋


[196] 年金をもらうまで
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

信じていいですか

私の道を信じていいですか

それは正しい道
強い道だと

信じていいですか

この目尻のシワの間に
意外にも上等の優しさがあると


信じていいですか


月は雨雲の夜も
私を見ていると


信じていいですか


私は親孝行な娘

母は私の通帳や部屋や、洋服箪笥を見ていつも溜息をもらすが

私は親孝行な娘


ただ生きる事が地球への恩返し


そう信じてもいいですか


私に少女が救えると


固く閉じられた小さな掌が日だまりをすくえる日

それは明日であると


信じていいですか


人々の夢を
メリーゴーランドにすがりつく
愛しい夢を
信じていいですか


年金をもらうまで
信じていいですか


寝静まった深夜の台所でひとり

夕飯の残りものをつまみながらでも


祈っていいですか


祈ることは
歩むことだと


棺桶が閉じる日まで
信じていいですか






2009/01/27 (Tue)

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