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剛田奇作の部屋


[233] 優しい小石
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

ずっと遠くの
一瞬を求めて


君の瞳の中を探したんだ

あの朝方だったかしら
酷く懐かしい香りが

君の去った助手席に寝そべっていたの

それはもう
退屈そうに


手紙の向こうで
私が真剣だからと
笑うのはやめてよ


清らかな緑の側に
ネオンテトラの青い春


水槽にだって
音楽が流れてる


君は知らないけれど


明日、洗濯物を干す前

下ごしらえしたマドレーヌをオーブンに入れとこう

誰にあげるわけじゃないけど

これは君からもらった紅茶のおトモにするだけ


熱帯魚が好きになったと言った

ガランとした駐車場で

らしくないなんて目で瞬きしたね

でも君は
しっかり私を見てくれた

いつかのキノコのキーホルダー

色違いをね、見つけたの
タンポポの花束の強さ 陽気さ

明日
風が強くても
晴れていたらいい


錆びた自転車こいで
遠くの君に逢いに行こう

たまの現実逃避
バスは使わなくて大丈夫




2009/04/21 (Tue)

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