ホーム > 詩人の部屋 > 剛田奇作の部屋 > ツケ

剛田奇作の部屋


[311] ツケ
詩人:剛田奇作 [投票][得票][編集]

私が立っている場所は

土ではなかった

小さな子供の

背中だった

私がテレビを見ながら食べる一つまみのおやつは
子供が徹夜で三日働いて用意したものだ

生きていることは

誰かの時間や体力を犠牲にしていること

一度の呼吸さえ
一粒の涙さえ

誰かの犠牲の上に成り立っている


楽や得をする為には当然、代償がいるだろう


楽をただ得る国
その尻拭いをする国


人は無力で
当然私も


そして私は
当然じゃない
不自然に良い待遇を受けて
毎日を生きている





2009/12/20 (Sun)

前頁] [剛田奇作の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -