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剛田奇作の部屋


[378] どこにもない僕ら
詩人:剛田奇作 [投票][得票][編集]

僕らは、なんでもない何か


名前や性別、国籍なんて でかい組織が僕らをファイリングするために便宜上、付けたものだ


僕は名前のない何かでしかない


思考が僕?


でも思考は水のように流れ続けるなぁ
それに文化とかに支配されてるし


言葉が僕?


言葉は掴めないし、人によって受け取り方もちがうなぁ


この顔が、僕?


いや、たとえ皆がマスクでずっと顔を隠しても僕は僕として扱われる


この存在が僕?


存在って何?肉体のことかなぁ


いつか脳みそだけになっても意思疎通できる時代が来たら


僕の存在は脳みそかなぁ


考え・感情・過去・記憶・肉体


どれが僕なんだろう

どれが僕なんだろう


決められない僕ら
型にはまらない僕ら
神秘的な僕ら
名前のない僕ら


そんな僕らだから一人が
尊く


そんな僕らだから一人が
素晴らしい


見えなくて、計れない価値が


僕ら


名前のない何かで
誰にも掴めなくて
みんな違う


多分それでいい


そのままでいい


僕らが生きること、正解




2010/06/22 (Tue)

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