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剛田奇作の部屋


[385] ナイルの庭
詩人:剛田奇作 [投票][得票][編集]

冷たい石の積み上げられた空間に

霧が呼吸をするように揺らいでいる

裸足で大地の抱擁を受け入れ

かつて、この甘い香が立ち込めた時

泉と雨と花と夜の香

霧の隙間 暗くしめった緑

滴り落ちる雫

密集するような湿度

シダの間を飛ぶ鮮やかな鳥たちの歌

甘美な誘惑

断れないダンス

薬のように強く
甘い幻想に揺らぐ魂

崖下に眠る意匠

何事も無かったように

その

甘い香は白亜期より変わらず



2010/10/01 (Fri)

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