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剛田奇作の部屋


[93] みどりの部屋
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

部屋はあの日のままだったわ


鍵もちゃんとかけてあったし


大きくなりすぎたパキラにも栄養剤が相変わらず刺してあった

シチューの材料を買い足しに行ってから


あなたを、グランドピアノの部屋まで連れていく わ

グリーンのカーテンは


ずっと揺れているの


不思議


あなたが買ってきたサーモンの缶詰


勝手に食べちゃったのよ

この部屋にぬめるような緑の水が満ちてから


もうどのくらい経つ?


嫌いじゃないけど

たまに私を困惑させる


爬虫類のようにね


飾ったガラスの瓶の中から

あなたが裸で見つめてる
みどりの瞳、イルカになったつもり?


ギラギラと太陽の照りつく正午


この部屋は冷え切るの


だから早くグランドピアノの部屋にきてね


時計は外してあるから


白い壁をつたう 緑の水


もう気にするのはよしましょうね



2008/12/20 (Sat)

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