ホーム > 詩人の部屋 > 三歩の部屋 > 投稿順表示

三歩の部屋  〜 投稿順表示 〜


[22] for us
詩人:三歩 [投票][編集]



正しいことなんて、ひとつじゃないから。


だからもう。



迷うことにさえ、


迷わない。


2007/07/23 (Mon)

[23] アイスティー
詩人:三歩 [投票][編集]

八角形のグラス
まるいテーブル
口をつけてないストローと
水滴に濡れたコースター


空も海も
始まりはここからいつも平行で


互いの青に
踏み込むこともなく


帆船近くの水平線で
無理やり
垂直に分離


グラスの中のアイスティー
氷がずれる、音がした。


琥珀色の液体
内側からなぞって
日常へと浮上したがる、
いくつもの気泡


あの日。

氷点下に閉じ込めてみた
君への残骸

グラスの底に
今なお、こびりついている。


厚さ数ミリの上澄みに
到達させるまでもなく
右手のストロー
せわしなく、攪拌。


グラスの表面
浮かび上がった水滴。

わざとらしく、ぬぐった指先。


転がったのは
気化を拒み続けた、球状の意気地。


融けかけの氷と一緒に
奥歯で軽く噛んでみたら

あんまり簡単に
粉々になってしまうから



もう一度だけ
誰かに


泣いてもいいって
言われたかった。










2007/08/17 (Fri)

[24] いつの日か。
詩人:三歩 [投票][編集]

やっと叶った夢は
もはや夢ではなくなるように

君が思っていたほど
地平線ではなかったから

近くにいても
10メートル先が、見えなくて

いっそのこと
少し近くで
笑い合っていたかった

心に重力と浮力をあたえよう

これ以上、浮つくことのないように
これ以上、沈むことのないように

 
君が思っていたほど
太陽ではなかったと知ったから

いっそのこと
月明かりの中で
咲いてしまえばよかったのにね

今となれば
これが叶わぬ夢かもしれないけれど

少し近くで
笑い合っていたかった


2007/12/16 (Sun)
23件中 (21-23) [ 1 2 3 ]
- 詩人の部屋 -