詩人:はちみつ | [投票][編集] |
加藤さんちのにゃんこは
加藤さんちを飛び出した
にゃんこは知ってた
にゃんこは路地裏
入っていった
ここじゃだめ
もっと遠くへ
にゃんこは川辺を歩いた
加藤さんちで
兄弟みたいに一緒に育ってきて
仲良しで大好きな
とおるくんが
よく遊んでる川辺
にゃんこの小さな心臓がきゅっと痛んだ
にゃんこはまたトコトコ歩く
ここもだめ
もっと遠くへいかなきゃ
にゃんこは道路を素早く渡り
隣町を目指したけど
やっぱり
やっぱり寂しい
遠くへいかなきゃと思ったけど
僕は例外
“おうちへかえろう”
にゃんこはまた加藤さんちに戻り
お庭で
ほっとして
大好きな加藤さんちを見てから
目を閉じた
にゃんこは知ってた
幸せそうな顔で
大好きな加藤さんちで
にゃんこは
静かに眠った
“さようなら
いつまでもぼくのことを忘れないでね”
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とろりとろろん
こっくり色の
眠くなるような
まんまるビー玉
淡い光に
七色曲線
ころりころろん
転がるビー玉
転がすあたしは
ぽかぽか日溜まり
ハッピー気分
彼があたしの頭を撫でたから
もっともっとハッピーになって
あたしそのまま
ビー玉と一緒に
浅い眠りにおちたんだ
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風邪をひいた
昨日雨の中
泣いてたから
アナタがピンポンおす音
悔しいけど分かったから
悔しいけどドアをあけた
すぐアタシが風邪だと分かって
バカヤロウだって
バカヤロウはアンタでしょ
誰のせいで
「バカヤロウ心配させんなよ」
頭がかーとなった
でもそれは
ムカついたからでも
熱のせいでもなかったの
心配してくれたのが
すごくすごくうれしくって
熱で暖められたあったかい涙
気づかれないように拭いた
その後言われるままに布団に入って
「お腹すいたなぁ」って言ってみたり、ね
駄目だね
アタシの負けだよね
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お人形は
彼に恋しています
口は縫いつけられて
塞がれて
声が出せません
お人形は
愛され方を知りません
もしも声を出せば
もうここに置いてもらえない
だからお人形の壊れやすい心は
ぱりんと割れました
そうお人形は諦めました
ただそこにいて
美しい洋服をきて
微笑んでいれば
“彼を近くで見ていられるのよ”
お人形はそうして
だんだん感情まで
抑えていきました
もう優しく微笑むことすらできないお人形
哀しい哀しいお人形
けれど彼が通りすぎた後
お人形は時々涙を流すのです
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最小、最低限のことだけ
やればいいと思っている
なるべくよく見られようとして
本当の姿を隠して
いいとこだけを見せて
お化粧してにっこり笑い
人よりおしゃれして
無知な自分を冗談で誤魔化す
そんな自分に
何も感じなくなっちゃって
自分を外側からも
内側からも
真っ直ぐ見ることが
出来なくなった
いつでも笑って
いつでもしゃべって
いつでも人とつながって
そんな彼女を放っておくの?
ほら・・
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あの日は晴れていなかった
雨も降っていなかった
桜はまばらに咲いていた
風は少しだけ冷たかった
憂鬱だった
何にもおこらなそうな日
何も楽しくない日
家にいても電話もかかってこない日
テレビもつまらない日
そんな日に
大切なものに出会った
人生なんて
一秒前からも予測ができなくて
諦めかけていても
「面白いことがどっと押し寄せてきたりするのよ
だからあなたがいるじゃない」
私は娘にそう言った
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なみに揺られて
何処までゆこうか
貴方の処へゆこうか
何度も太陽の表情を目に焼きつけ
何度も移りゆく空に心を切なくし
それでも貴方のところへは
まだ遠い
鳥が通り過ぎ
風が追い越してゆく
まだ遠い
いつか いつか
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なみだの国からやってきた
なみだひめ
笑いたくてやってきた
なみだひめ
さぁ笑ってごらん
泣かなくて大丈夫
蛙がいった
なみだひめが
生まれて初めて笑った
なみだひめが笑うと
太陽が怒って
雨をふらせないようにした
なみだの国に生まれたひめには
一生なみだを流す責任があるんだ
太陽がいった
蛙は水を求め苦しんだ
なみだひめは気の毒に思って
なみだを流した
やがてなみだでできた湖のなか
笑う蛙が泳ぐ姿
なみだひめは
うれしそうに
泣いた
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少女が
流れ星に
願いをのせる
弟と二人手をつなぎ
どこまでも
どこまでも
限りなく遠く
漆黒の果てを
幼い瞳にうつす
目に見える満天の星よりも
その遠くの星を
どこからともなく
きらりと飛んできた宝石
どこへゆくんだろうね
その幼い心が
3度唱えた言葉は
どんなものなのかな
母も願ってみよう
忘れていた静寂の中で
娘達の手を握り
暫し
瞳をとじて
素直なキモチで
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泣くのはおやめ
きみの悪い癖だ
誰も知らぬところ
で
涙を流しすぎている
目を閉じてご覧
ぐっすり眠れるよ
誰かの夢を盗んでしまうことなど無いから
心配しないで
きみは眠る
きみのために
そして僕は
キスをあげよう
安らかなきみの頬にね