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はちみつの部屋


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詩人:はちみつ [投票][得票][編集]

加藤さんちのにゃんこは
加藤さんちを飛び出した
にゃんこは知ってた

にゃんこは路地裏
入っていった

ここじゃだめ

もっと遠くへ

にゃんこは川辺を歩いた

加藤さんちで

兄弟みたいに一緒に育ってきて

仲良しで大好きな
とおるくんが
よく遊んでる川辺

にゃんこの小さな心臓がきゅっと痛んだ

にゃんこはまたトコトコ歩く

ここもだめ

もっと遠くへいかなきゃ

にゃんこは道路を素早く渡り

隣町を目指したけど

やっぱり

やっぱり寂しい

遠くへいかなきゃと思ったけど

僕は例外


“おうちへかえろう”


にゃんこはまた加藤さんちに戻り

お庭で

ほっとして

大好きな加藤さんちを見てから

目を閉じた

にゃんこは知ってた

幸せそうな顔で

大好きな加藤さんちで

にゃんこは
静かに眠った


“さようなら


いつまでもぼくのことを忘れないでね”




2003/03/08 (Sat)

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