詩人:さざなみ | [投票][編集] |
時間が止まる
唇の動きで分かった
電車が私達を切り裂く
もう終わりね
蝉の音が耳を引っ掻く
私の胸を引き裂くのは
擦れ違って
忘れ合いましょう
生暖かい風が目に染みる
邂逅する日は
他人でいようか
分かっている
でも乾かないのよ
虫の死骸を見つめる
自然と頷いた
今はこれでいい
これでいさせて
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通り雨に捕まった
長袖にしがみつく粒
渇かない
離れない
傘を捨てるからよ、と
素敵なお約束なの
ほら、いない
もう、いない
ガムと一緒に包まれた言葉は屑入れにさようなら
また会えるかな
背伸びして借りた詩集
今もチンプンカンプンです
コーヒーをブラックで
風に消された告白が微笑む
始発を待つ手の甲に
不慣れな水が
喉にいる意気地なしの君がやっと外に出られたんだ
日向ぼっこをしませんか
とてもキモチイイよ
子どもみたいにじゃれ合う猫と
おじいさんになった灰と
つぶれた枕と眠ってる
赤いほっぺの君が笑ってる
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潰された街
馴染みのない看板が存在感を与えてる
コトバは雲に隠れて
太陽ってなんだろう
形あるモノしか認めない
風船が向かう方へ
走りたくなって止めた
雨が降ってきたので
コンビニで傘を買おう
水溜まりがこわくなったのは
守りたくなったから
強がりたくなったから
きっとこれでいいのかな
笑ってしまおう
暖かい光だけは
あの頃のままだ
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あなたには分からないわ
震えているのはお互い様
あれから靨(えくぼ)がくたびれてる
記憶の外にいるのは
記憶の中にいるのは
返しておくれ
言いかけて止めた
その瞬間枯れ葉が舞った
踊り出す時間
あなたには分からないわ
震えているのはあなただけ
震えているのはあなただけ
震えているのは