ホーム > 詩人の部屋 > 蛍の部屋 > 「羽根」

蛍の部屋


[39] 「羽根」
詩人: [投票][編集]

少し羽根を休めているだけよ。

たまにはため息ついて一人で泣いたっていいでしょ。

気にくわない羽根を動かすのはとても疲れるの。

冷静になって考えようと思えば思うほど

自分で羽根をちぎっているの。

次から次へとくる壁を軽く飛び越えたいのだけど

私のこの羽根、ちっとも使いものにならない。

吐き気と孤独感に押し潰されて

瞳孔がぱっちり開いちゃって

涙なのか冷や汗なのかわからぬ液体ながれてきて。

でも、そのたびになぜか私の羽根は大きくなっていく。

逃げない。

逃げたりなんかしない。

さぁ、大きく広げましょう。

私の羽根よ、貴方の羽根よ

今、大きく華やかに宙へ舞う。

2005/05/27 (Fri)

前頁] [蛍の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -