早雪の粉雪
巣鴨とがんも
燻らせたシガァレットの煙が
豊島の夜に溶けて行く
歩きながら考える癖をつけて
願ったら何かが叶うとか
願えど願えど叶わないものとか
この世に蔓延る
いっさいがっさいを
忘れるために、認識するのだ
消えない会話
世界から零れた、たった一ミリの隙間
ずれた分だけ、世界は新しく廻る
さよならの季節が迫りくる
また来年、再来年、もっともっと遠くても
手を振る
振り続ける
振り向くという奇跡のあとに
じゃあね、ではなく、またね、を
過ぎ行く君よ
さよならだけが、さよならじゃない
2016/11/27 (Sun)