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たかし ふゆの部屋


[4] 午後に喪う
詩人:たかし ふゆ [投票][編集]

何も知らないようにしていた
知識は邪魔にはならない
しかし
知らないほうがいいことが多すぎる

八重洲口から真っ直ぐ歩くと
本当は、きっと昭和通りをまたがないのかもしれない

世界は変化し続ける
残酷な結果ばかりを見せる
逃げ場なしの万華鏡
グルグルぐるぐる

今しがたすれ違った知らない誰か
いつの日か
知らない人ではなくなるような
代償に、愛のすべてを分かち合った大切な誰かを、忘却へと送る
知らず知らずの間に

世界は廻る
やがて午後が来る

別れた後の静寂と
おぼろ気な彼女の残像
その声の記憶だけで、感じ続ける世界

2015/02/02 (Mon)

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