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現実的SUGILLの部屋


[72] サディスティック・リップス
詩人:現実的SUGILL [投票][得票][編集]


あらゆるものが煩わしいの

空の色も
波の音も

誰もここに
居てくれないことも!


日々伸びてく髪や爪
空腹・憂鬱...

生きているという
事実が煩わしいの


留まるだけで
精一杯だよ。

涙腺はもう
とっくに壊れてるのに


みんなが

"当たり前"を
押しつけてくる

私は青い空なんて大嫌い!


普通って、なあに?
泣きそうになるわ

モノクロな景色に
興味はないけど


何故だかいつも

足りない
「足りない。」


あの日の人ごみに

君を見失って
自分を見失って

心まで忘れてきた


溶けちゃったんだよ、きっと

本当のことは
何もかも。

私は、君の、知らない私


月が涙を堪えて眠る

うずくまってるだけで
精一杯の夜

あらゆるものが
煩わしくて仕方ない


「ねぇ。君は、私のこと、嫌い?」


砕けては突き刺さる
硝子の心

この傷跡は
疎ましくて愛くるしい


せめて

確かな事実で
満たしておきたいの


そう

ガラクタでも確かに
私は生きてきたし

ガラクタでも
かなしいときは、かなしい。


たとえば

こんなに
密閉された今

2014/06/07 (Sat)

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