ホーム > 詩人の部屋 > 黒夢の部屋 > もう何も望むまい。

黒夢の部屋


[126] もう何も望むまい。
詩人:黒夢 [投票][編集]

互いを温めるかのように繋ぎ続けた手が
離れて、空いた手が冷え始めた頃に
世界の理不尽さを知る。


『続き』なんて知りたくなかった。
『これから』なんてほしくなかった。


素敵な物語を描いてたまま
『そのまま』を誰よりも僕は望んでいた。


『明日』などいらなかった。
君がいなくても明日がくる事を知っていたから。


泣いても、いつか笑うのを知っていたから。




僕が全てをなくしても


明日が来るのを


知ってしまっていたから。

2005/07/19 (Tue)

前頁] [黒夢の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -