半分の月が笑っている。とても楽しそうに。あるいは とても悲しそうに 哀しそうに。形を変えていくそれは いつまでもそのままでいられなくて。久しぶりに半端な形のそれは 姿を見せた。また 笑っている。不安そうに 諦めたように。誰も見てくれないから。誰もが満月を望んでいるから。でも僕は 今 空に浮かんでいるあの月を望む。半分の形が 僕の心と似ているから。もう半分を補ってくれる 誰かを待つのが僕とそっくりだから。僕は笑う。月と一緒に。
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