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黒夢の部屋


[89] 不変
詩人:黒夢 [投票][編集]

変わらないと信じ続けたものが、いつしか変わっていて。
「変わらない」と言った約束さえ、守れるはずなかった。


小さすぎて、きっと何も分かってなかった。
何時までも一緒にいるということが
叶うことを、ただ、信じていた。
子供だったから、何も疑うことなく信じていた。
故に、離れていくのが怖かった。


知っていたはずで、頭では理解していて。
それでも
認めたくなかった。
離れていく互いの距離を、縮めようと空回りしながら。


知らない間に作られていく別々の日常。
そこに僕の立ち入るような隙間はなくて
感じた孤独。覚えた哀しさ。
本当は、いつしか離れていくものと知っていながら。


変わらないことを描き続けるよりも
今は願っている方が強い。


変わることに抵抗を感じて。
流されることに焦って。


変わらないでいようなど
僕等にとっては儚い夢でしかない。
そして
変わったのは周りではなく
僕だということに気付いた。


君は何一つ、変わってやしないのに。

2005/04/02 (Sat)

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