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クトゥグアの部屋


[183017] 
詩人:クトゥグア [投票][編集]

あんなに高かった月が
朝方にはもはや消えている

月を隠していたはずの雲が
一杯の酒の間に遠くに流れている

どんなに高く飛んだところで
月の欠片もついばめない鳥たち

檻の中で牙を磨く虎
反射する月は寂しく眩しく

灰色の棺桶の隙間を歩く
夜光虫は今日も月を見上げている

三日月に腰掛けたお姫様
そこじゃ王子様の手は届かない

なんて寒い夜だろう
月まで透き通るほどの空気だ

太陽はお前を気にしちゃいない
月がどれだけ愛そうとも

満月の下に人は皆等しく
密告され囚われ処刑され

俺が月を覗き込む時
月もまた俺を覗いているだろう

2013/10/12 (Sat)

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