詩人:あやめ | [投票][編集] |
「また、今度」
そう言って別れる。
私はこれが一生の別れだと決心していた
帰りの電車で
あなたとの思い出をたどる
自然と涙が溢れた
溢れる涙はもう止めることもできなくて
ただただ溢れるばかり
これまでにも好きな人はいた
あなたが初恋というわけではない
でも、
あなたとの別れがこんなに苦しいなんて
こんなにも苦しいのは初めてだ
決して手に入れることのできない人
私が手に入れることは決して許されない人
それなのに、それなのに
どうして私はあなたに心を奪われてしまったのだろう
私は必死で思いを隠そうとしていた
気付いてほしくなかった
あなたの幸せに私の思いはただの邪魔だから
あなたには幸せでいてほしいから
さようなら、さようなら
家に着くと、
顔には乾いたすじが2本、できていた
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人間、
覚えようとして
一生懸命やったら
どんなことだって
覚えることはできるのに
どうして
忘れようとして
どんなに頑張っても
忘れることはできないんだろう
どんなに
忘れたくても
今のわたしには
忘れることができない
どんなに忙しくても
ふとした瞬間に
あなたを思うわたしがいる
ほんとうに不器用なんだ、わたし
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“○○さん”
この、たった一言で
幸せだと感じる瞬間がある
“○○さん”
この、たった一言で
不幸だと感じる瞬間がある
この違いは何だろう。
私の名前を呼ぶのにはかわりがないというのに。
ある人は私にこう言った
「ちゃんとあなたの名前で呼びたいから」
理由もなく
私の名前を呼んでくれる
ただその彼女の口からでる
そのことば
本当に嬉しかった
また、ある人は私にこう言った
「あなたには立派な名前があるんだからさぁ」
消えてしまいたかった
私の名前は
私の名前でないような気がした
ただ、名前を呼ぶという
ただそれだけなのに
どうしてこんなに違うんだろう。
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私が成長する・・・
あの人を置いて
自分だけ
どんどん進んでしまう
いずれ 私はあの人に追いつくだろう
いつか 私はあの人を追い越すだろう
私はあの人よりうーんと若いんだもん。
それに
ずっとあの人の背中を
目指してきたんだから・・・
そうなったとき
私はあの人を
どう思うんだろう
おそらく
わたしの心はあの人から
離れていくだろう
知らず知らずのうちに・・・
成長って残酷だ
初めて成長が辛く思った
でも、忘れることより簡単かもしれないね。
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今思えば、あなただけだった。
私のことを、ありのままの私のことをきちんと見てくれたのは・・・。
これまで、誰一人本当の私を見てはくれなかった。
私はいい子でいなければならなかった。
別に、親から期待されていたわけではない。
昔から私は何でもそつなくこなしてきた。
ずっと、私は何でもできる子だと思われてきた。
周囲の目はいつも私をそういう目で見ていた。
『あなたなら大丈夫』
いつもそう言われ続けてきた。
部活を引退し、受験勉強というストレスのみが積っていくだけの毎日・・・。
私は周囲に言われてた。
『あなたなら大丈夫。』
私は、ストレスをぶつける場を部活の引退によって失った。
引退後、私が唯一安心して自分を出せるところ。
それがあなたと会っていたあの場所だった。
あなただけだった。
『君はいつも大丈夫といわれ続けてきたんだろ?』
『もう頑張るな』
あの頃は、あなたが私の心のうみを取り除いてくれていた。
今の私には、うみを取り除いてくれる存在がない。
あの頃、私はあなたにどれだけ救われたことだろうか。計り知れない。。。
心から、あなたに感謝しています。
色々迷惑かけたかもしれない。
でも・・・。
私が安心して迷惑をかけることのできるあなたでいてくれてありがとう。
うみを取り除く方法が見つかった頃、私は本当に成長しているんだろうな。
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ぼくは1年前に暖かくて過ごしやすい家を去った。
それ以来ほくは1年ほど時の中で旅を続けている。
別に家が嫌いだったわけじゃない。
子どもである自分が嫌いだっただけだ。
自分の世界を切り開いて成長したかった。
ぼくは早く大人になりたかった。
ただそれだけだった。
ぼくとっては全てが冒険の毎日だった。
学校の勉強も、新しい生活も、全てが冒険だった。
毎日の時間は旅人であるぼくにとっては新鮮だった。
しかしそれもあるときまでだった。
本気でやめてしまおうかと思ったこともあった。
それでも、ぼくはやめなかった。
やめても楽にならないということを知っていたから。
やめたら絶対後悔することを知っていたから。
もちろん、今のぼくには何も残らないことも知っていたから。
家を出て色んな人と出会った。
ぼくはこの1年でかなり成長していると思っていた。
ずいぶん大人になっていると思っていた。
でも実際のぼくは大人ではなく、ただの子どもだった。
年齢も心もちっとも大人ではなかった。
ぼくはひどく傷ついた。
この1年ぼくは大人になろうとして必死だった。
はやく大人になりたい。
ただそれだけだった。
でも、1つだけ忘れていたことがあった。
大人というものが何なのか、わかっていなかった。
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『勝ち組』『負け組み』という言葉が氾濫している。
一体勝ち組って何なんだろう?
お金を持っているから『勝ち』なのか。
金銭の価値観というものさしだけでの勝負か。
自分で『勝ち組』と思っている人は『負け組み』を否定する。
あたかも自分の人生のみを肯定するがごとく。
そして当たり前のごとく『負け組み』の人生を否定する。
私は何が『勝ち』なのかも『負け』なのかもわからない。
ならばいっそのこと私は『負け』でいい。
私はあえて他のものさしを持ち続けたい。
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私が手紙を受け取ったとき、
過去の相手と現在の自分がコミュニケーションを取っている。
私が手紙を書いているときは、
現在の私と未来の相手とのコミュニケーションを想像してる。
会話は現在の自分と現在の相手とのコミュニケーション。
メールも電話も現在の自分と現在の相手とのコミュニケーション。
でも、手紙は違う。
現在と過去、現在と未来をつなぐコミュニケーション。
過去から未来までつなぐことだってある。
それでも、手紙を通して時制の違う相手と
同じ時間を過ごしているかのような感覚。
そんな特殊性が、手紙にはある。
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願いがひとつだけかなうのなら。
あなたに、抱きしめてほしい。
それ以上は望まない。
ただ、ぎゅっと抱きしめてください。
それだけで私は幸せになれるから。