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あやめの部屋


[1] さようなら
詩人:あやめ [投票][編集]

「また、今度」
そう言って別れる。
私はこれが一生の別れだと決心していた

帰りの電車で
あなたとの思い出をたどる

自然と涙が溢れた
溢れる涙はもう止めることもできなくて
ただただ溢れるばかり

これまでにも好きな人はいた
あなたが初恋というわけではない

でも、
あなたとの別れがこんなに苦しいなんて
こんなにも苦しいのは初めてだ

決して手に入れることのできない人
私が手に入れることは決して許されない人

それなのに、それなのに
どうして私はあなたに心を奪われてしまったのだろう

私は必死で思いを隠そうとしていた
気付いてほしくなかった
あなたの幸せに私の思いはただの邪魔だから
あなたには幸せでいてほしいから

さようなら、さようなら

家に着くと、
顔には乾いたすじが2本、できていた

2006/03/23 (Thu)

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