我々は常に闇とともに在る我々が生まれる時最初に眼にするのは闇である我々はその闇に恐れ泣きじゃくり、光を掴もうと手を握り締める我々が眠りに就くとき優しく闇が夢へと導いてくれるたとえそれが悪夢でも我々が死する時闇がゆっくりと蝕むだがそれは我々が生まれた時とは異なる我々は穏やかな顔で闇を迎え手は闇を受け入れ己が手を組む人は闇とともに歩んで来た事を自覚する闇は我等が盟友であり同胞(はらから)なのだ闇を恐れるな闇を恐れるな
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