ホーム > 詩人の部屋 > じぇんの部屋 > 人混み

じぇんの部屋


[83] 人混み
詩人:じぇん [投票][得票][編集]

田舎育ちの俺が今
渋谷の交差点に立っている

どうしようもないくらい空虚な心に
人混みと言う名の兵隊が押し寄せてくる

みんな気付かないだけ

みんな気付けないだけ

俺は人混みに
馴れてしまった

針に糸を通すほど難しかった前進が
今は攻略本を持つGAMEより簡単で

人の裏の顔を覗こうとする俺の顔は馬鹿面で

なにより

猫背で赤いパーカーの俺は目立ち過ぎる

「人混みに馴れる」
良い事か悪い事かはわからないが
俺の心には
寂しさがあふれてるよ

毎日の様にハチ公前で夜10時半

赤いパーカーを羽織りタバコをふかして

馬鹿だぜ

少なくとも二年前の俺は

こんな自分になってるなんて思いもしないだろうな


田舎生まれの俺が
東京に負けた瞬間
全てが終わったような気がした

2006/12/11 (Mon)

前頁] [じぇんの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -