ホーム > 詩人の部屋 > 浜崎 智幸の部屋 > 投稿順表示

浜崎 智幸の部屋  〜 投稿順表示 〜


[131] 【和楽団地】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


夢の入り口だね
あなたの住む町は

理想に挫けるとき
訪ねてみたくなる

そして笑い声が
光と戯れる

どこよりも気高くて
それなのに優しい

人が学べるものは
あまりに少ないけど

僕が愛せるものは
かぞえきれないぐらい

この町のあちこちにあるよ

和楽団地

─────
─────

2025/07/17 (Thu)

[132] 【曙町】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


この町に住んでいいのは慈悲のある人だけよ

私はまだ私を許せない

たまにだけど 自分のこと
意気地なしだと思う

ベランダで花を育てています

曙町へようこそ 日当たりのいい町です

曙町へようこそ 坂道に猫がいます

 世界はここからです




この町に住んでいいのは正直な人だけよ

私はまだ私をさらせない

夜明け前に目が覚めても
伝える手段もない

リビングでラジオを聴いています

曙町へようこそ 洗いざらしの町です

曙町へようこそ 女学生も歩きます

 世界は今日からです

────
────

2025/07/27 (Sun)

[133] 【stranger】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


君の住む町を 自転車で走っても
逆光にくらみ 心はあとずさる

君が忘れたら 季節は置き去りで
切り取られたまま 埋もれてしまうだろう

僕はここで生まれたわけじゃなくて
はがゆくて もどかしい愛しかなくて

夕暮れには夕暮れ色
雨降るなら雨の色に
染まることしかできず

僕はここに住んでるわけじゃなくて
柔らかい 臆病な愛さえなくて

夜明け頃はコバルト色
海騒げば紫蘭色(しらんいろ)に
染まることしかできず

─────
─────

2025/07/28 (Mon)

[134] 【夜に光る苔】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


夜に川を渡る水音
風を切った矢になり
胸に刺さる
言葉もなしに

海に沈んだ太陽の光を吸って
夜ごとに光る呪われた苔を窺う

光る苔を盗む者は許さない
たとえ知らず苔に触れた人でさえ

愛を水に変える虚白
声をからし叫ぶ恋人
すでに愛は
指を離れた

まどろみながら傷ついた体をさする
鬼火のような燐光が瞼に焦がれる

暗い窓に苔盗人が映った
青いガラス破って弾丸を放った

誘蛾灯になった苔たち
銃の叫び森を震わす
その人の死体は

・・・・・・・・・・・・・・・・・・足元 

2025/08/03 (Sun)

[135] 【明日に】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


誰よりもあなたを愛してきたから
今日の日まで立ち止まらず歩いてきたんだ

あなたがいる日々を幸せと感じる
理由もなく根拠もなく毎日過ごすよ

ありがとう 微笑みを いつも
これからも ずっと そばにいて

昨日より 今日よりも 明日に
つながるよ きっと ふたりの
明日に

────
────

2025/08/10 (Sun)

[136] 【劇中劇】(R18)
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



季節は無言で過ぎる
あなたはいつも優しく

有職故実(ゆうそくこじつ)を
正しく演じる

翻訳もののミステリー
犯人は誰でもいい

あなたも わたしも
アリバイはないわ

劇中劇を演るのなら
しっかり抱きしめてほしい

呼吸も髪も乱れたまま
さあ
最後のページまで 




熱くしすぎた珈琲
あなたは平気で飲んだ

今夜の序破急
満足したのね

複数の罠をかわし
わたしに手錠をかけた

動機も凶器も
あなた次第なの

劇中劇を演るのなら
しっかり見届けてほしい

あなたに貫かれたままで
さあ 最後のページまで

劇中劇を演るのなら
しっかり感じさせてほしい

汗に光る素肌を滑り
さあ 最後のページまで

────
────

2025/08/22 (Fri)

[137] 【神在す】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


雨垂れが土を打つ
寂しいね この村は

名も知らぬ神社は
価値のない時が往く

ここに神在す  カミイマス
言霊のままに

ここに神在す
鎮まりてあり

ここに神在す

──────
──────

2025/09/14 (Sun)
127件中 (121-127) [ << 11 12 13 ]
- 詩人の部屋 -