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浜崎 智幸の部屋  〜 新着順表示 〜


[10] Yell――みんなの特別な女の子――
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カレンダーめくれば
別れの春が来る
もう二度とあなたと
笑いあえなくなる

あなたが出会う人
未来の恋人に
エールを贈りたい
悔しい涙に染めて

ああ 上出来のさよならがしたい
鮮やかな記憶をここに残すように

ああ いちばんの笑顔で手をふる
未来の花嫁に涙をかわかすエール




私の心配は
何もしなくていい
みんなの特別な女の子
になるわ

ぎこちない歌でも
一所懸命なら
みんなもそれほどに
悪い気はしないでしょう

ああ とびきりのときめきでいたい
リズムを崩したら泣き出してしまうわ

さあ めげないで そう 自分らしく

My dear loving heart!
涙をかわかすエール

――――――――――
岡村孝子の「アデュー」という曲に触発されて。

2017/10/20 (Fri)

[9] ──音無町──
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


緑の風わたれば
ひと息で何度でも
君の名前を呼べるだろう

ひとりでいる休日
幸せは冬日の青空

君に会いに
話をしに
風を味方につけて
音無町へ
走り抜けろ!

ミームだけが届いていた
近いのに遠い町
音無町も
青空だろう

───────────
ミーム_meme…文化遺伝子。非物質的文化を伝播させるものとして仮想された。
―――――――――――

大学生時代に、サークル活動によって急に広がった行動半径。見知らぬ町から来た、新しい友達。

今日は音無町方面へ行く用事がある。そこのアパートにいるポニーテールの後輩に偶然会えないかな?
自転車は追い風に乗って加速する。

2017/10/18 (Wed)

[8] ──舞鶴──
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まだ明けぬ暁に
窓を叩く風
海へ続く小道に
鶴の羽が散る

忘れないでほしいと
思うような人
鶴が輪を描くように
別れ告げた人

飛ぶならば速く飛べ
見るならば狭く見よ

小さすぎる翼は
かなぐり捨ててしまえ


いたのよそこに鶴が
……信じないでしょう
谷へ吹く風に乗り
ゆるく去っていった

くぐれる虹はあるの?
弱気な鳥には
幸ある人はいるの?
愛さない人に

あとから悔やむよりも
今この時始める

雲よりも高く飛び
あの鶴を驚かす

どこまでも飛んでいく


─────────────
虹をくぐる、でもう一篇。
縦読みは、第2連の2文字目で、たにぐちともこ。
弱起で作曲されているので、楽譜の文頭は2文字目になる。
―――――――――――――

2024/06/16 (Sun)

[7] 何度でも歌う
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心はいつも
嘘を重ね着して強くなる

逃れられないならば
何度でも歌う

虹をくぐる鳥よ――
黄泉を恐れぬ蝉よ――

その閉じた目で
私のために泣いて



記憶を秘めた螺旋を  ※1
刃物よりも恐れてる

冬に蒔かれた種の
契りを疑う

海をわたる蝶よ――
枝を棄てた鳩よ――  ※2

その醒めた目で
私の体を見て

――あんまり美しくないね――

――――――――――――
※1……遺伝子。
※2……ノアは洪水のあと鳩を放つ。水が引いていないうちは、オリーブの枝をくわえて帰ってきた。
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2017/10/13 (Fri)

[6] ――筑紫野――
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


懐かしむような
イナサの風が吹く

筑紫野に春の花を呼ぶ

アヅミの心に刻まれた

あえかなサナギの謡(うた)
歌わせる

――旅人は故郷に立ち止まらない

――風待ちは必ず終わる日がくる

――ワタツミは潮路に舟霊を招び

――神々を小舟の舳先に祀る

海の果ての
邪馬台(クニ)を目指せ

天ツ筑紫野は
弥生の風のなか

──────────
イナサ……南東の風。

アヅミ……安積族。海洋民族。

あえかな……消え入るような、

サナギ……銅板を丸めた楽器。

ワタツミ……海洋民族の総称として、すべての日本人の共通の祖先のイメージとしてこの語を置いた。

2017/10/13 (Fri)

[5] ―― 長袖のシャツと自転車で ――
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


見つけようと思えば
幸せはどこでもある
こころ開き思えば
恋人はそこにいる

こすもすに会いに
長袖のシャツと自転車で
行こう

君の瞳 乾くように

ポケットは今日は
空っぽでいいよ

コンナコト
ずっと続くはずない


昨日のこと思えば
今日のことがくもるから
冷たい風が告げる
季節を受け容れよう

あの人はきっと
お見通しだから心配は
ないよ

今日言わなきゃ 損しちゃうよ

小細工はナシで
不器用でいいよ

コンナコト
ずっと続くはずない

小細工はナシで
不器用がいいよ

カタオモイ
ずっと続くわけない

――――――――――――

2017/09/27 (Wed)

[3] ──真水に棲む魚──
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


もう
誰の言葉も届かない
嘘もないけど理由(わけ)もない

もし
許されるなら 川になり
水を運んで暮らしたい

真水に棲む魚を住まわせて

泡沫(うたかた)はじける時 夢をみる

つねに心のままに


この
世界の果てに君がいる
それだけで熟睡できる

さて
寂しがりやに憧れて
世界を瓦礫にしようか

真水の川が一つ残りゃいい

余計なものは地層に溶かそう

つねに心のままに


あれ
帰る家さえわからない
歩き方さえ忘れてる

ああ
歪みは歪みを保って
君が望んだ闇になる

真水に命が蠢(うごめ)くならば

私も 瞼のない目を見張る

つねに心のままに
─────────────――――――
おことわり:この詩は2011年以前に書かれました。
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2017/09/21 (Thu)

[2] ──いのちの林──
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


若葉が雫を落とすよ
気高い
いのちの林

静かな呼吸が戻るよ
さざめく
進化の林

もう
樹液の呪縛も
神秘の真理も
沈めて

この
美しい樹々が
世界へと枝を
繁らす


記憶が饒舌になるよ
たかまる
歴史の林

理想が祈りを超えるよ
あふれる
未来の林

もう
優しいものを
優しいとみては
いけない

この
美しい樹々を
美しいままに
繁らせ

若葉が雫を落とすよ
気高い
いのちの林
────────────

2017/09/19 (Tue)

[1] ──木漏れ陽を集めて──
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時々あなたのことが気になります。
一行だけの手紙書きたくなります

私は幸せついばむ小鳥です
小さな羽では届くはずなどないのに

回れ 回れ 運命
奪い取れ 勇気

重い 重い 呪文を
気楽に唱えよう

もう泣きません 木漏れ陽を集めて
誰よりも輝く


夢見ることだけ上手になりました
少しは器用に笑ってみたりできます

私は季節に遅れた小菊です
優しい少女よ 髪に飾ってください

回れ 回れ 法則
語り継げ 神話

重い 重い 摂理を
身軽に受け流す

もう泣きません 植物の言葉で
饒舌にささやく
────────────

2017/09/18 (Mon)
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