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浜崎 智幸の部屋


[126] 【廃墟の春】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


すべて燃えた
すべて消えた

深い悲しみから
生まれた「いのち」

ひとしずくの
露のなかに

ちいさな胞子が
つくられました

春がきました


・ 

誰もいない
誰も来ない

黄泉の国のような
静寂<しじま>の朝に

鳥が鳴いた
一羽だけで

たった一羽だけで
鳴いていただけ

春が来ました

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2025/05/15 (Thu)

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