| 詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
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風が海を渡っていく
一番星が光るまで
あと少し
もやい綱の影絵越し
三毛猫の鳴く声が
いみじい
テトラポッドの白線に
潮の高さはあまりに
足りない
そうだ 今は引き潮
夕まずめの町に
赤とんぼ
心は誰かを求め続けて
張り裂けるような秘密を叫ぶ
引き潮の悲しさ
知ってしまった
今は石のように
黙りこみたい
★
風が君を削っていく
面影さえなくなるまで
あと少し
何度だって繰り返す
行き先だけ見えないままでの
道行き
罪は無言で積もるから
償うため生きていると
言えるね
はやく 鎖をちぎれ
さもなくば身を任せてしまえ
流れに
心は救いを求め続けて
あくせくもがいて消耗していく
引き潮の悲しさ
知ってしまった
今は水のように
こぼれ落ちたい
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