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浜崎 智幸の部屋


[69] 【月が走る】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


夜を走るなら
月に背を向けろ

けばだつ心に
月は優しすぎる

楔(くさび)を打ち込め 
胸の真ん中に

呼び捨てにできる
名前はもうない

澄みし水よ
光を受けて
翳る心に灯る
歌に変われよ

みな幸ある人でいるか

流れにまかれる影でないか

そこは寒いのか
温もれないか


誰も顧みぬ
僕の歌だから

誰も顧みぬ
君のために唄う

鏡よ砕けろ 
正義を示すなら

翼を得るとき
僕は駄目になる

澄みし水よ
光を受けて
かたち残すものの
挽歌になれよ

失うものはせめて少なく

見落とすものはせめて小さく

そこは遠いのか
触れあえないか

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2023/08/17 (Thu)

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