詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
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波が立つときは舟影が消える
よそものたちから身を隠す
古里の海は古代の躍動
深く魚たち眠る茂木
忘れてしまうなこの海を
数えてしまうなこの船を
命が熔けてはいないのか
水面が赤く染まる茂木
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漁が立つときは笑い顔あふれ
閉ざされた海をなめてゆく
女たちだけは強く手を合わせ
海よ安かれと祈る茂木
夕陽を招くか三毛猫よ
舟霊(ふなだま)祀るか漁火よ
漆黒の闇が訪れた
古里の海を忘れるな
漆黒の闇が訪れた
古里の茂木を忘れるな
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茂木(もぎ)・・・長崎市郊外にある漁港。海は東になるので「夕陽を招くか」のフレーズはリアルではない。
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