詩人:カクレクマノミ | [投票][編集] |
手の中に入れた
いや押し込めた
オレンジ色の心と青い心
ぶつかる
混ざる
固まる
繰り返しの挙句
捕らえた色は冷めて
拾ったビー玉もブルーで
みんなその色を隠して笑ってる
気づいてても笑ってる
ヒーローにはなれないと
現実の色は濃いと
下唇を噛んで絶えて
先の色を詠む姿
網膜に焼きつく
一挙に出てしまわぬよう
喉を押さえて
身構えて
僕等が今息をしていること
青でも赤でもない世界
上を向いてくれないか
その顔を上げて
まっすぐに見て
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直線を引くのは難しくて
曲線とまではいかないけど
でこぼこ
正しい線は誰にも分からない
綺麗な線しか分からない
あっちを見てごらん
円を描いてる人がいる
線を引かなくていいの?
同じ所をぐるぐる回る
直線なんて引かなくていい
意味をつけすぎた今
重ねて重ねてさらに重ねて
高く積みすぎた
もっと自由でいい
円だって線
線からの縁
後悔こそ悪
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線は右上に伸びた
それは目にも留まらぬ速さで
それはすぐに届かなくなって
ゴールの存在はひと吹きで消え
正解の存在は心を包んで
染みたころには点のあと
行き止まり間近の線のあと
そこそこ進んで行き止まり
しょうがないからその場で足踏み
ここもいずれ通れるさ
待っていれば必ずね
過去と現在の線
相も変わらず真っ直ぐ
笑えない冗談
そんな言葉がお似合い
吐いた白い息も
吐いた言葉も
すべてが雪のせいであったら
すべてが僕のせいであったら
もっと線を引いてよ
狭い世界の端っこ
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沢山ありそう
無限にあるんでしょ
無駄に使って
後になって悔いる
不機嫌そうね
不満なの?
平たく等しくなんてあり得ない
賞味期限はいつだろう
考えたって答えなど出ない
駒と歯車はそうして動く
落ちた光と上る光
順序に沿って
見えない波を超えて
誰かが見ている痛みも
その手ににぎっている後悔も
いずれ照らされる
黒から青へ
青から橙へ
照らされた自身よ
このままではいけないの
自分の正しさを
他人の正しさを
肯定の彼方と道徳と調和
巻き込まれてしまえばいいのに
そう呟いたのは過去の自分
不意打ちの熱を
意図を超えて向こうの空に
僕を越えて遠くまで
見えなくなるほど遠くまで
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目に見えるもの全て
小さいものの集合体
そんなこと言われたって分からない
触れているものは1つのモノ
実感はそう、これだけ
手のひらでテーブルを触って
指先でグラスをなでる
朝起きてカーテンを開けて
イスに腰掛けコーヒー
粒子の心は届かない
小さすぎて届かない
この星にいればみんな同じさ
誰かがこう言ってくれるのを待ってるの
モノの内側は存外脆い
砕けるよりかは崩れるの
空からの雪
やがての雨さえ
小さい小さい
自分はもっと小さく感じて
周りはもっと大きく感じて
挙句にできた一つのモノは
コントロールの彼方
感傷の中間
倫理の範疇
壁を越えるのはむずかしい
けれどできるさ
本当は小さいんだ
物々しい雰囲気を越えて
胸を張れよできるから
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雪とも雨とも言えない空模様
目に一粒
視界がにじむ
つれづれと道の端
二粒、三粒
声はでないさ
静かな音
矛盾の彼方、巡る
雲では塞ぎきれない
隙間から漏れた小さな音
また一人と粒を並べ
廻る
あんまりな虚勢
高いな
もう少し降りて
それでも生きてる
色々を越えて
様々を追い抜いて
ここにもあったんだな
そこにもあるんだな
そういう気づきと共に日々を通り過ぎる
一瞬のできごとさ
きっとそうさ
大げさに考えることじゃないさ
常。
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なんだか甘だるい風
嫌いじゃないよ
ぬるさは暖かさと似てるから
桜はいつ咲くの
小さな疑問は風にさらわれた
飛ばされて、また飛ばされ
行き着いたのは冬の尻尾
季節は流れて一周しても
相も変わらず片側一車線
対向車はあんまり来ないのさ
この道は人気がないのさ
じゃあ息を止めて水の中を行って
潜るのは難しい
息が続かない
それでも目を凝らすんだ
無数のサカナは妥協と遊ぶ
相手にするな黒潮に乗れ
視界はこのままでも晴れるよ
春。
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誰かが誰かをおとしめて
私はワタシを追い詰める
逃げてもやがては行き止まり
言葉は力を落としてる
四角形のカナタに広がる幻
どうして白を染めあげるの
ほっといてくれと泣いている
その首に掛かりかけてるロープを頂戴
私が捨ててあげるから
大事に捨ててあげるから
両目をつたうのは痛み
ほらあそこにも
そこらじゅうに溢れてる
そのカミソリを頂戴
私がそれを捨てるから
こっそり捨ててあげるから
「目を開けても暗いんだ」
分かってるよ。解ってる。
それでも目を開けるんだ
意味なんて考えなくていい
だからその錠剤を頂戴
私が捨てるから
責任持って捨てるから
綺麗なモノの反動
虚像だけでは乗り切れず
苦しくなった世界はもう限界
風船のように空気を抜けたら
気づかぬふりて空を飛べるのに
早く気づいてよ
もっと目を凝らしてよ
武器を捨てたあなたには代わりに勇気をあげるから。
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星が落ちた
もひとつ落ちた
こっちも落ちたよ
そっちも落ちた
何が落ちてるんだろう
ただの星
彗星
流星
難しいことは分からないけれど
きれいだなぁ
なんだかとってもきれいだなぁ
日常を切り取って星にぶつけて
憎悪を剥がして星と流す
汚い言葉も空から見たら何事でもないさね
それはとてもどうでもいいこと
あなたが悩む必要のないこと
現実逃避だっていいじゃない
笑われたっていいじゃない
何を言われてもいいじゃない
流れて光るあの人やその人
流れて光る君や僕を想像して少しにやけづら
詩人:カクレクマノミ | [投票][編集] |
どれほど綺麗なんだ
何が素敵なんだ
淀んだ空気に埋もれて
摩り替わった木々を掻き分けて
何を目指す
そこに何がある
ゴールを決めることは素敵かい
美しいのかい
僕には解らない
解らない
綺麗事のみの構成
反吐が出る
テレビCMもアイドルも新聞もみんな同じ
人でなしが搾取する
餌を撒いて魚が寄るのを待ってる
自由に生きることはもう諦めなきゃね
エゴでエゴを覆って
意味の無さに恐怖して意味を無理やりこじつける
現実は思いの外どうしようもないよ
生きるためには目を瞑らなきゃ
君が壊れてしまう
僕も壊れてしまう
影は光がないとできないけれど
闇は光がない時の影の名前だとは知らない
良いことはもはや良いことだと言い張ることしかできず
悪いことは道徳の範疇を越え君の足元
今更倫理もないのに何を語る
何を押し付ける
黙って飲むわけないでしょう
黙って従うわけないでしょう
僕らは自由に生きたい人間。
そういうのが人間。