詩人:カクレクマノミ | [投票][編集] |
なんだか甘だるい風
嫌いじゃないよ
ぬるさは暖かさと似てるから
桜はいつ咲くの
小さな疑問は風にさらわれた
飛ばされて、また飛ばされ
行き着いたのは冬の尻尾
季節は流れて一周しても
相も変わらず片側一車線
対向車はあんまり来ないのさ
この道は人気がないのさ
じゃあ息を止めて水の中を行って
潜るのは難しい
息が続かない
それでも目を凝らすんだ
無数のサカナは妥協と遊ぶ
相手にするな黒潮に乗れ
視界はこのままでも晴れるよ
春。
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雪とも雨とも言えない空模様
目に一粒
視界がにじむ
つれづれと道の端
二粒、三粒
声はでないさ
静かな音
矛盾の彼方、巡る
雲では塞ぎきれない
隙間から漏れた小さな音
また一人と粒を並べ
廻る
あんまりな虚勢
高いな
もう少し降りて
それでも生きてる
色々を越えて
様々を追い抜いて
ここにもあったんだな
そこにもあるんだな
そういう気づきと共に日々を通り過ぎる
一瞬のできごとさ
きっとそうさ
大げさに考えることじゃないさ
常。
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目に見えるもの全て
小さいものの集合体
そんなこと言われたって分からない
触れているものは1つのモノ
実感はそう、これだけ
手のひらでテーブルを触って
指先でグラスをなでる
朝起きてカーテンを開けて
イスに腰掛けコーヒー
粒子の心は届かない
小さすぎて届かない
この星にいればみんな同じさ
誰かがこう言ってくれるのを待ってるの
モノの内側は存外脆い
砕けるよりかは崩れるの
空からの雪
やがての雨さえ
小さい小さい
自分はもっと小さく感じて
周りはもっと大きく感じて
挙句にできた一つのモノは
コントロールの彼方
感傷の中間
倫理の範疇
壁を越えるのはむずかしい
けれどできるさ
本当は小さいんだ
物々しい雰囲気を越えて
胸を張れよできるから
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沢山ありそう
無限にあるんでしょ
無駄に使って
後になって悔いる
不機嫌そうね
不満なの?
平たく等しくなんてあり得ない
賞味期限はいつだろう
考えたって答えなど出ない
駒と歯車はそうして動く
落ちた光と上る光
順序に沿って
見えない波を超えて
誰かが見ている痛みも
その手ににぎっている後悔も
いずれ照らされる
黒から青へ
青から橙へ
照らされた自身よ
このままではいけないの
自分の正しさを
他人の正しさを
肯定の彼方と道徳と調和
巻き込まれてしまえばいいのに
そう呟いたのは過去の自分
不意打ちの熱を
意図を超えて向こうの空に
僕を越えて遠くまで
見えなくなるほど遠くまで
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線は右上に伸びた
それは目にも留まらぬ速さで
それはすぐに届かなくなって
ゴールの存在はひと吹きで消え
正解の存在は心を包んで
染みたころには点のあと
行き止まり間近の線のあと
そこそこ進んで行き止まり
しょうがないからその場で足踏み
ここもいずれ通れるさ
待っていれば必ずね
過去と現在の線
相も変わらず真っ直ぐ
笑えない冗談
そんな言葉がお似合い
吐いた白い息も
吐いた言葉も
すべてが雪のせいであったら
すべてが僕のせいであったら
もっと線を引いてよ
狭い世界の端っこ
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直線を引くのは難しくて
曲線とまではいかないけど
でこぼこ
正しい線は誰にも分からない
綺麗な線しか分からない
あっちを見てごらん
円を描いてる人がいる
線を引かなくていいの?
同じ所をぐるぐる回る
直線なんて引かなくていい
意味をつけすぎた今
重ねて重ねてさらに重ねて
高く積みすぎた
もっと自由でいい
円だって線
線からの縁
後悔こそ悪
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手の中に入れた
いや押し込めた
オレンジ色の心と青い心
ぶつかる
混ざる
固まる
繰り返しの挙句
捕らえた色は冷めて
拾ったビー玉もブルーで
みんなその色を隠して笑ってる
気づいてても笑ってる
ヒーローにはなれないと
現実の色は濃いと
下唇を噛んで絶えて
先の色を詠む姿
網膜に焼きつく
一挙に出てしまわぬよう
喉を押さえて
身構えて
僕等が今息をしていること
青でも赤でもない世界
上を向いてくれないか
その顔を上げて
まっすぐに見て
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ころころ転がって落ちた
痛みなんてなくって
でもどこか痛いような気がして
池に落ちた
底なんて見えなくって
どんどん下に落ちていって
無の回想と根源
嘘でできた平静
安堵の虚勢
水族館のお客はきれいなサカナを見に来て
きれいなサカナはお客を楽しませ
天井の酸素たちを見上げる
知ってか知らずかその他のサカナ
勘違いの目
誇大な妄想
思い出すと少し笑える
滑稽の挙動よ
情緒の揺れよ
もっと静かにしておくれ
明日も早いんだ
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その色は形を変えて
その色は音を変えて
その色は世界を変えて
青が全てではなくとも
赤がもてはやされようとも
緑が流行ろうとも
飲み込んでしまえば一緒
色の無い言葉で砂になる
ざらつく芯
無理に飲み込む言葉
違和感の根っこ
引っこ抜いたら世界が変わるかい
良い方向に進んでくれるかい
虹色の雨が降るかい
これなら傘はいらない
ハンカチもいらない
涙もいらない
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目をつむる
水槽の中は黒
深海の世界
錯覚の円
不確定要素と意味と歴史
あまり深く潜ると息がもたないよ
遠巻きに声
水音
泳ぎを見てくれ
心内に広がる感情は流れる
流れ流され竜宮城
常の螺旋は此処に
円はいずれコロニーに
全部錯覚だとすごく助かる
縁
終焉