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カクレクマノミの部屋


[26] 春に溶ける
詩人:カクレクマノミ [投票][得票][編集]

冬の重りも過去の様
人それぞれ重い軽いはあるけれど
春には溶けてしまってる

瞬く間の一日が積もり
瞬く間に溶けていく
春夏秋冬の積荷は溶ける

冬には秋の積荷
夏には春の重荷

肩に残った荷物の余韻は
溶けるべきではない事の表れ

何が溶けるか
何を溶かすか
詮索してもやがては溶ける

把握の範疇はすぐに越えて
一瞬で積荷は過去の産物

余韻を大切にする人の中で
一人また一人と下ろしていく

コントロールは過剰な自信
分からないことを認めない

溶けた雪は溶けたことに気づかない
気づく間もない一瞬の出来事

美化の後の神格化
それもいずれは溶けてしまう

知っていても早めたい融解
そんな思いもすぐ溶ける

余韻だけでも残らないかと期待して
少し経てば溶けてしまってる

繰り返された果てに辿り着きたい春



2013/04/05 (Fri)

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