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虎は死して 皮を残し
人は死して 名を残す
その身死すとも 心は死せず
魂滅ぶとも 記憶は消えず
蒼き風となりて 永久に残らん
扉を開きし者 駆け抜けし者
私は涙を流す
八月の雨に打たれて
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想い浮かべる
その眼を 鼻を 口を
最後の笑顔を
水面のように揺らめいて
静かに 心を締め付ける
永遠に閉じたはずのフォルダは
あっけなく開かれて
消せなかった音たちが響く
戯れにはじいた弦は
どうしても終止を告げなかった
持ち上がった天秤に
なぜそのすべてがあったのか
答えはもう この心にはない
ただ 哀しいほど未完成で
頼りなく震えたPPが
この心を惹き付け
またこの腕を阻んだ
花が散り終わる頃に
君に会いに行こう
影のない笑顔を見せてくれ
もう弾けないと言って おどけてくれ
失くした時の意味を教えてくれ
そうしたらきっと
僕も笑うだろう
終止の鳴らしかたは
とうに見つけた
もう君より上手く
PPも鳴らせる
花が散り終わる頃に
もう一度だけ君と会おう
言えなかったサヨナラを
心から言うために
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運命のいたずらが築いたIsland
広がるbeachも 切り立つ崖も
波に洗われ 風に削られ
等しく 大河の底へ溶けていく
小川のせせらぎ 小鳥のさえずり
流れる雲 静かな雨
確かにそこに在ったものが
形を変え 姿を消し
波間に立ち尽くす 僅かな…
戻りたい時は 一つだけ
帰りたい場所は 一つだけ
会いたい人は ひとりだけ
未練はない 後悔もない
まだ耳に残る声も
まだ頬に残る痛みも
すべて幻と悟れたなら
すべて夢と知ったなら
行く川の流れは絶えずして
しかも元の水にあらず
優しい水音だけが聞こえている
いつの日も…いつまでも…
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その扉の向こう側から
たくさんの笑い声が聞こえる
その扉の向こう側を
誰もが目指すという
その扉は近くに立つと
見渡せないほど大きい
その扉はどこからでも開くのに
同じ場所を競って争いが起きる
その扉は立つ位置や見る人により
異なった色に見えるという
男は紫と言い
傍らの女は青と言った
私はなるべく青に近い場所で
男の背を押した
男は女の手を引いて
扉の奥へ進み行った
感謝の声に嘘偽りは無くとも
ただ寂しさが広がり
鐘の音が 嫉ましかった
扉が鮮やかな桃色に見えて
一番美しい場所に背伸びしてふれた
扉は開かず ゆっくり色を変えた
闇より暗い黒のように
闇の彼方に
地獄の番犬が見えた
私はそれ以上その扉に
近づかぬ事にした
時が経ち
多くの人々が
笑顔とともに
向こうへ去り
幾人かの人々は
涙とともに
戻ってきた
いつからか 私は
笑う人とともに笑い
泣く人とともに泣き
扉の向こうへと背中を押した
そしていつからか
あの闇は姿を消し
空や海を溶かしたような
青い扉があった
入るための場所などない
扉はいつの間にか後ろにあった
笑い合う人はなくとも
握り返す手はなくとも
私はここに来た
涙なくして戻れぬのなら
痛みを覚えずに戻れぬのなら
せめて扉ごしにささやこう
誰かに届くまでささやこう
「ただ、あなたらしくあれ」と
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驚くほど 真っ白な夜
あの人の足跡を 慎重に避け
飛び散った言葉を 拾い集めて
新しいページに 刻みつける
眠れぬほど 生ぬるい夜
舞い散った桜の 花びらを避け
青や緑色の言葉を捜す
真っ白なページを埋めるために
きっとすべてはひとつ
きっとひとつはすべて
この1ページから 解を導ける君なら
空を紅く染められる きっと
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それに気付いたのは
もう日も傾いた頃だった
今朝 夢を見た
小さな手帳に書かれた
長くはない詩たち
見慣れた筆跡と
懐かしい感覚
ああ、自分で書いたんだ
そして、どれもなかなかいいと思う
どんな詩か思い出したい
あの照れくさい詩たちを
眠りのこちら側へ連れ出したいのに
何一つ覚えていない
気になることがある
夢で開いた手帳の見慣れない形
あの詩は本当は誰の詩
あの手帳は誰の手帳
本当に素敵な詩なら
思い出したいのに
日差しに照らされて
色褪せていくみたいに
全てが消えてしまいそうなんだ
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僕の心を返してくれ
その体にふたつめは収まらないだろ
返してくれ僕の心を
抜け殻になっていたくはない
何時まで待たせるのか
五感が異常に鋭くなる
もう人でなくなりそうだ
僕の心を返してくれ
届かない場所で踊らないでくれ
返してくれ僕の心を
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砂漠に立ってみたい
渇きに絶望したい
太陽に焼かれたい
もう何も欲しくない
あと一度歌ったら
このドアを開けよう
みんなありがとう
やっぱり死ぬのは怖い
私は誰でもないのに
なぜ足跡が残る
もう何も食べたくない
もう何も飲みたくない
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思い上がるな
生きる意味など
なくても構わない
神様だって俺を知らない
ましてお前になど何も教えない
たとえ今が幸せでも不幸せでも
忘れられない恋もある
忘れたくない恋もある
お前と10年 寝て起きても
同じ場所で死ねはしない
あんなに早く別れが来るなら
こんなに遠くに離れるなら
こんなところでじゃなく
もっと別の場所で
違うベクトルで
繋がっていたかった
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二つおいて
一つおいて
またここへ
墓石につまずく
ふりをしてもいい
もう一度火を消してくれ
自分を消した人よ、踊れ
大地に爪痕を
そして私に希望を