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感動マニア。の部屋


[134] Promised Land〜約束の地〜
詩人:感動マニア。 [投票][編集]

閉め切った窓から差し込む光はなく
同じ雨の音だけが鳴り続けても

朝が近いというヴィジョンだけが
なぜか脳裏に焼き付いて離れない




いつかは醒めるとも知らず
長い夢をみていた

ずっと探していたものに出会えたとか
そんな幻想の海で 溺れて…


僕らは限られた時間と空間の中で
まるで悪夢のように求め合った
二重扉で隔てられた園の中には
神の声さえ届かなかった




僕らは容赦なく傷つけあうことで
生きることの意味を模索していた

互いを繋ぎ留める鎖の中に
自由のようなものを探していた





いつか必ず 夜は明ける
どんな悪夢も いずれ終わる


閉め切った窓から差し込む光はなく
同じ雨の音だけが鳴り続けても

朝が近いというヴィジョンだけが
なぜか脳裏に焼き付いて離れない



僕も君も在るべき場所は他にあると
はじめの頃から薄々感づいていた



だからもう外へ出よう
鎖に掛けた錠を外して

既にボロボロな二つの魂が
この闇に食い尽くされる前に

まだ帰ることもできるはずだ
僕らは禁断の実を食べた訳じゃない



最初で最後の約束を交わそう
振り向かずにここを出て
二度と戻らないと


一緒にいるのは今が最後
互いでつけ合った傷も
癒すのは君じゃない 僕じゃない

時が流れて 思い出すかもしれない
思い出さないかもしれない

今 このドアを過ぎればもう
この悪夢は この幻は 思い出になる

朝露ほどたやすく消えないとしても
僕らは 振り向かずに行こう
それぞれの もともといた場所へ


本物の 約束の地へ

2010/12/18 (Sat)

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