詩人:もとり | [投票][編集] |
可愛いよ
愛してる
大抵の女はその二つを元に
上手く言い回せば簡単に落ちる
落ちるまでの駆け引きが楽しくて
落ちて仕舞えば興味が無くなる
所謂頭脳を使った恋愛ゲーム
誰を本当に愛する事も無いので傷つく事も無く
他の女を抱いても裏切るっていう感覚も無い
だから相手が泣こうが縋りつこうが
一欠片も罪悪感も感じない
それが日常
どう受け止めても構わないし
俺は俺のしたい様に生きる
刹那主義でも
享楽主義でも構わない
好きとか
本気だとか
煩わしいだけ
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身分相応に生きて
幸せを求めつつ
不幸に沈んでる位が丁度いい
欲張らない
求めない
夢見ない
期待しない
明るい私 しか誰も要らないから
不要な私は見られないよう
押し入れに仕舞う勢いで
誰も届かない所へ隠しちゃおう
幸せも遠ざけて
目に見えない所に隠しちゃおう
ほら、これで元通り
失う物が無ければ恐れる事も
夢見ることも傷つく事も無いのかな
芽生えはじめた恋心も
優しさに浸った思い出も
全部全部しまっちゃおう
幸せはいつだって
余計な痛みを連れてくるだけ
涙と共に
これで元通り
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追えば離れていき
去れば近寄ってくる
触れれば拒絶され
望めば叶わない
そんな追って追われての
不毛な関係はもうやめたくて
貴方の望む形は楽な関係
私の望む形は普通の幸せ
何も生まれず
何も満たされず
只存在してる関係なんて
望んで居ないよ
少なくとも私は
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幸せも喜びも
素直に受け止める事が出来ない私は
壊れる事を酷く恐れ
失う事に怯え
何も無くなる事が当たり前の様に
諦めを覚え
絶対手に入らない物だと言うならば
幸せを知らなかったなら
喜びを知らなかったなら
貴方を知らなかったなら
この無い物ねだりのジレンマも
引き止めたくなる我儘も
貴方を困らせてしまう願望も
この小さく確かに芽生えた恋心も
生まれる事は無かったのでしょう
深く溺れる前に身を引くべきなのか
与えられる幸せに身を委ねるべきなのか
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私さえ居なければ
誰かが幸せになれる
私さえ居なければ
誰かを傷付けずに済む
私さえ居なければ
周りの歯車が上手く噛み合う
私さえ望まなければ
貴方は離れなかった
貴方さえ愛さなければ
私は今も幸せに笑えたのかしら
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救いのない電話
終わりの無いLINE
疎外感で踊るSNS
価値の無いフレンドリスト
意味の無いスクロール
理想と現実の狭間で揺れる期待
寂しさを埋めるための承認欲求
妄想の中で活きる未来
起承転結
すべては小さな世界での出来事だから
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僕が望んだ未来は
大体が手に入らない
だから過去の君を
この小さな液晶に閉じ込めた
愛してるを重ねた駄文も
そう遠くない未来の予定も
希望を連ねた淡い夢も
此処には幸せが全部詰まっていたから
過去の物になってから
今の君には興味は無いし
過去に引き摺られそうで
ログを辿る事は無いまま
だけど此処にはちゃんと
同じ時を重ねたっていう記録が残っているから
無かった事には
したく無かったんだ
愛してるは幻想でも
傍に居たいが理想でも
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僕はふわりと溜息を漏らす
そう
これは予定調和
僕の思い通りにならないシナリオも
君と噛み合わない気持ちになるのも
僕が天邪鬼で動いてしまうのも
君が優しさで包み込もうとするのも
僕が意固地に跳ね除けて仕舞うのも
全部結末は想定の範囲内での事
君は困惑してしまうし
僕も意地を通そうとするし
並行線の旋律は揺るぐことがなく
その先の結末にも興味は無いし
その過程の捻れた軸を正すこともない
たられば論は仮定の話
期待はいつも他人任せ
僕には僕の期待が有る様に
君には君の意志が有る様に
そう
これはあくまで予定調和で
だからこそ酷く虚しくなるだけで
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君は君の自由にしたらいい
君の言動を受けて
僕がどう感じようと
どう行動しようと
それもまた僕の自由
本当に大切な物ならば
し舞い込むべきなのだし
他に譲渡出来る位の物なら
いっそ捨ててしまえばいい
大切な物は失ってから気付く
そんな有り触れた
でも心に刺さる様な
僕の言動はそんな想いは
したく無かったからこその
只の悪足掻きだっただけで
どんな想いも言動も
君の感情を揺さぶる位でなければ
無い物と同じで
単に儚い望みに縋り付いてただけだと
失ってから気付く事も有るのかな と
最近思い始めているから
自ら首枷を付ける君を
僕はもう手を差し伸べることも無く
足枷を外した僕は
そのうち飛び立つのだろう
僕は君に囚われず
君は僕に制限されることも無く
交わる事のない平行線を伝う様に
只の他人に戻るだけ
君は君の有るべき場所に
僕は僕の居場所探しへと
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誰も本当に
愛してくれなかった
誰も本当に
大切にしてくれなかった
辛かった
悲しかった
でも
それよりもね
愛される喜びを知って
大切にされる幸せを知って
叶わない事の方が何倍も辛かった
知らなければ執着する事はなく
澱んだ底の中からただ
漠然とした幸せを羨望するだけで済んだのに
手が届きそうで
届かない
もう知らなかった頃には
戻れない