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もとりの部屋


[77] 迷い子。
詩人:もとり [投票][得票][編集]




まるで幼児の様に

覚束ない足取りで

目指す場所もないのに歩き始める


目の前に見えるは

崩れ落ちた景色だけ



一体何を信じて

一体何を頼りに

私は生きていけば良いのかと


縋るように

取り繕うように

宛もなくさ迷い続ける



ほら 御覧なさい


信じてる なんて

呟けばこの有り様だ


傍に居て なんて

囁けばこの惨状さ



貴方の居ないこの世界は

何処を見ても色褪せていて

息苦しさを覚えてしまう


もうとっくに貴方は

絶えてしまったというのに


記憶の中でしか

逢えないというのに



愛してる の言葉は

とっくに宙に溶けていった


さようなら は

未だ言えずに胸の中



SOSを出しながら

私はまだ 此処に居る


貴方の傍に行けたらと

密やかに祈りながら




2014/06/16 (Mon)

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