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もとりの部屋


[87] 眠り姫。
詩人:もとり [投票][得票][編集]




抱きしめたはずの貴方の姿が

目の前で消えてしまったと気付いたのは

泣きながら夢から覚めた時でした


嗚咽を漏らすのを止められず

声を殺して耐えたところで

小さな部屋に響き渡っていくばかり



もう優しいあの笑顔には会えない

少し高めの甘い声で囁いてくれる事はない

あの力強い腕で抱き締めてもらえない


もう 貴方に会うことは叶わない



此さえも夢だったら良かったのに


皮肉にも私の身体を蝕む胸の痛みが

私に強く 現実だと主張している



まだ 立ち直れそうもない

上手く歩ける自信すらない


記憶の中の貴方を

擦り切れる程思い出し

心に焼きつけながらまた眠るの


これが貴方に会える

唯一の手段だと知って居るから






2014/07/05 (Sat)

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