詩人:あいる | [投票][編集] |
初めから
理不尽の在処を探して
まわりのことに
目を向けなかった
黄金色の海に人魚
ナイーヴな夜の森
ボクの部屋の片隅に
キャンドルライト
月夜が残酷に眩しすぎる
今宵に乾杯
ファスナーの間に
指をはさんで血が滲む
舐めると懐かしい味がした
今夜は雨が降る気がする
それでボクは
見えない月を探して
初めからやり直せない
思い出と戦って
体についた傷をなぞって
重複する悲しみを
日めくり破って
派手に痛む火傷みたいな
胸の奥の腐食に惨敗
酸性の雨が落ちてくる
滲んだ指先は錆びている
君の深海みたいなルージュ
指を繋いで歩く
君とボクは離れられない
理由を探して
軋んだ瞳は不思議な色
今まばたきしちゃだめだ
ほろほろ
緩やかに流れ出た潤滑剤
錆びてたボクら動きだした
あの頃の瞳をしてる君
何度も溺れた
君の深海みたいなルージュ
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手放した風船は
それはそれで綺麗
破裂する前に
美しいままに
ほしい音を捕えられなくて途方もなく渇く本能
泣きそになったら
この指とまれ
十代最後のうたさ
ピンクイロ
木漏れ日の中で
狂気にみちる
たゆたう記憶の揺りかご
たゆたう記憶のほとり
想いの降る街で
とり残された足跡爆発
さざ波のように
さざ波のように
よせてひいて
プリズムアスファルト
手放した風船は
それはそれで綺麗で
届かなくなると
ひどく愛しい
月を割ろうと爪を立てる猫
引き寄せているのかもしれない
今夜は月が大きいから
足元たゆたうさざ波のうた
ブーツにこびりていた
プリズムアスファルト
素足を浸して
破いた孤独に装飾を重ねる
ポッケにいくつかある
乾いた火種を
ブーツの船にまいて
さざ波に委ねた
ボクの記憶を祝うように
ブーツに根をはる
思い出降る街で
新芽が顔をだす
ボクの指に巻きついた
愛しくなったら
この指とまれ
ボクの捕えられないとこで
割れた風船が奏でた
十代最後のうたさ
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「朝起きプログラム」
起きしなのエルドラド
夜があたふた逃げ
昼が
「こっち来いよ〜」言う頃
そよ風 たゆたい
露のしずく 流れ
ヒヨドリが
おなかすかせた声を聞く
さんざめき
思いだけで 話そう
気持ちから 出して
目覚ましに怒られて
起こされる目覚めなんて
まっぴらさ
キラキラ朝日に
「眩しいよ
でもありがと」
って起きたいの
チカッって光って、跳ね起きて
まろみを付けて、でんぐり返し
ゆるんで丸く転げて行こう
このアジアで 一斉に、
20億人もが目覚める時さ
みんな待ってる
玄関先で、
自転車そろえてスタンバイしてる
しびれ切らせて
飛び乗ってGO!
地球にミラクルを差し込もう
太陽の親光になればいい!
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非対応の科学繊維
運命の糸がはためいてる
うごめくメディア
理想郷のイデア
社会との連携無視
点滅信号が笑う
広がらない世界と対話対話
現在地知れず泣いた泣いた
寸分の声も反響を拒絶
薄汚れたレスポンスは
残虐な嘘を加速させるだけ
ちりぢりにバラバラ。
反転して逃走する影
まち針でボクに縫い付ける
孤独にしないで。
朱色に覆いかぶさって
夜が襲いかかる
生涯発達できるのが人間?武装してる心を抱いた
共感できず吐いた
水面に移るのが
どんな顔してるか恐いから
繰り返し波紋を起こす
単調に、残響に向けて
濡れた手乾かす臆病風邪
見えるのは
同系色ばかりの万華鏡
化粧ばかりお上手になって上っ面を披露して
内面を妄想させられてる
影絵のロウソクが尽きて死
刺す雷と針の雨
つんざいた音は
射す陽光と虹の橋
つんざいた跡は
冗談きついくらい
眩しい朝日
やっと返ってきたヤマビコ
いくら待っていても
翼は生えないみたい
サヨウナラ
ボクから出会いにゆくよ。
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ほっぺをつねって
幻を一つづつ消していこう
限定に弱い君を
笑ってた午後に
初雪をみて感動して泣いた
過大評価してる
ボクって人格も
こんなもんさ
ボクに届かせようと
ツマサキ立ちする
寒いから赤鼻になる君を
見て笑い転げた
腹をたてた君を
もっと見ていたくて
綿雪のよう
幸せな沈黙
まつげに積もってる綺麗
小さなかき氷
気づかれないように
微笑んでみんだ
冬以外の季節が来て
寒くないから
君と手を繋がなくなった
方向オンチ
君とボクは
そっぽ向いて
歩きだしたのに
地球が丸いせいかな
また君に出会うんだ
ヘタクソな作り笑顔ほど
人を困らせるものはないよ
クリスマスじゃなくたって
寒くなくたっていーよ。
君を見て感動して泣いた
ツマサキ立ちの君
ほっぺをつねって
幻を消して
幸せに沈黙
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しゃぼん液を間違って
吸い込んだ頃
みんな慌てたけどボクは
きれいなしゃぼん玉が
みたいだけだった
口から出るしゃぼん玉を
家族みんな笑って眺めた
望んだ結果が
少しだけズレただけさ
いろんな選択肢が
見え隠れした頃
しゃぼん玉は
目の前で割れて
眼に染みた
決められてる現実を
受けいれた頃
大好きな太っていた
家の猫が死んだ頃
目に見えるもの
見えないもの
全部に命の限りがあると
教えられた
保育所の帰り以外で
初めて使った
さよーなら。
望んだ結果が
少しだけズレただけさ
見えないものまで
離れ離れにならなくていい
思い出の大切さを知った
ボクのしゃぼん玉は
すぐに死んじゃう
ボクは
もう少し生きると思う
しゃぼん玉が教えた季節
ボクがよく泣いた頃
家族みんな
笑ってボクを眺めた
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君が
今すぐ願いが
叶えたくなったからって
対向車のライトを
流れ星代わりに
何回か繰り返し唱えた
君の安易な考えを伝って
対向車は大渋滞
もしかしたら
もしかする
たくさんの詰まっている
テールランプを
満天の星に見立ても
いいと思ってきた
もしかすると
もしかしろ
君の願いが二人の願いになってるのに気づいて
スイスイと
流れに逆らって
泳いでいくボクら
また天の川を泳ぎたくなったら言ってね。
キラキラした君の眼を
流れ星にして唱える
このままどこまでも
泳いで生きたい
渋滞の終わりが見えてきた
もしかすると
もしかするのかもしれない
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君が見上げる
虹になりたくて
駆け回ったんだけどね
距離が掴めなかった
なのにボクは笑顔だった
誇らしげに輝かない
ソイツは
誰のためにでもあるようでやっぱり羨ましいんだよ
きっと違うんだろな
届かないんだろな
写真じゃ
なんの価値も無いよ
いつでも届く存在じゃ
あれれ
結局ボクは
手の届かないモノで
いてほしかったのかも
凡人
原人
現代人
頭でっかちなおいらってか
君の前で成長したとこは
作り笑顔と
えっと
えっと
なんだっけな
えへへ
誇らしげに
輝かないそれは
誰のためにでもあるようでやっぱり羨ましいんだ
君のために
だけに
そんな虹に
なりたくなったよ。
将来何になりたいか
先生に聞かれたからさ
そのまま言っちゃったよ
えへへ
誰にも
触れてもらえなくてもね
距離もわからなくてもね
君が笑顔なのはわかるんだ
君のために
だけに
そんなボクに
なりたくなったよ。
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もし歴史の教科書に
ボクの問題が出ていたって
なんも答えられねぇな
自分史0点
偶然でも必然でも
もっとなんか中途半端な
確率だとかでもいいからさ
君とボクの出会いの確率を
そーいや数学も
得意じゃなかったっけ
お手上げだね
ぼろぼろに泣きながら
顔洗ってさ
何を払い落とそーとしたの
網膜に雑念などなど宿して
眼をこすってさ
打破できないよ。
君を望むと
涙が押し寄せてくるの。
何で無理に忘れるための
努力なんてするの
何回でも思い起こそうよ
押し寄せてきたものは
アタタカイモノ
君に想ってもらって
みんな平等な
当たり前の命の価値より
もっと自分が大切なものに
ボクはボクだけのものじゃなくなったって
二人で笑った記憶の尻尾がまだ見えてる
日本語にしかない言葉が好き。響くよね。
ボクが君によせる
世界共通の感情から
ボクらにしかわからない
言葉が好き。響くよね。
君のことならスラスラ
答えられるよ
二人史を綴ろう
まずは君に
それからボクに
響く。響く。
アタタカイモノ
採点なら任せなよ
君にボクに
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見ていた夢が思い出せない
冷ややかなチャイムの音
日替わりの日直
機械の様な
号令に酔うな
その夢に
しがみついていたくて
眼はひらけないよ
まだ眠ったふりさ
意識せずに見てきた
夢たちの森羅万象を
再現も体現も叶わない
言葉を知らなすぎる
生き方を選んだ
ボクを恨んだ
忘れちゃいけなかった数々
仕方ないと
他人の共感に
納得したフリをした
悲しい歌を
遠ざけた自分を呪った
お気に入りの時計も止まりお洒落な夢に逃げ込んだ
電気の灯りも切れたみたい
泣きながら朝も遠ざけた
まとわりつく過去たちを
追い払うボクたちを
いつになったら
気がつけるかな?
あの日の未来が
今日だってことに。
消化不良の現在が
夢に紛れて
ボクをへとへとにさせる
朝起きるときが
一番辛いのはそのせい
射し込む光は
何を焼き尽くした
まだ眠ったふりさ
いつになったら
気がつけるかな?
履き潰してきたスニーカーは君になんて言ってた
意識せずに生きてた今日を
もうしっかり
眼を開いている君を