詩人:あいる | [投票][編集] |
春待ち寝枕
一月は寒かったねぇ
溜め込んだ真心
集めてねそべろう
腕貸すからおいで
山彦響かせベッド汽車はゆく、ヒーターのそばにうずくまって
眠りながら一筋、
星の光道をのばすよ
前に行っちゃったあの子
今度来る春に
また逢えるよう
こっちから
迎えに行くつもりさ
踏みしめたドライな地べた
新芽に奮い立って繋がれ
知りたいことは沢山あるし
そういう揺れる小熱を捕まえれば
静かに休み込めるこうして
冬を引っ張り回してジョイ、JOY
擦り切れて破れた
お気に入りの靴下から
ついくすぐったくて
ほくそ笑み、こぼした
エネルギッシュに育ってる
春待ち酔い寝枕の先っちょ
じゃれ合いをねだり
弾みでつい
ボタン押し間違えて買った缶コーヒーおいしげにゴックンして
夢プランぞろぞろ並べて立ててみる
たのしみだらけで愉快
あんまし愉快なもんだから
どさくさに紛れて
夏まで勘違いして早く来ちゃいそう、せかすな!
ボクら
めいめいのニコリ顔を
何度もまばたきの間に間に
思い出してくれたら
こんなデュエット詩の望む
思いの輪っかを広げたいな
まだ安らごう
寝ても寝ても
また、うたたねだよー
腕なら貸すよ
そばにおいで
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違う場所で生まれて
ヨーイドン
離れていてもさ
ボクが追いついて二人は
同着ゴールイン
二人ぼっちのマラソン大会
ビリも一等賞もないからね
回り道して歩こう
もし科学や医療が進歩してさ
ボクが君よりも長生きできるならね
君と同じタイミングで死ねますように
0歳の誕生日からそれを欲していたよ
ボクの体の60%は水で構成されています
残りは君です
最近
心が太りました
100なんかじゃ足りない容量
君のどこにも
ボクなんていない
戦争をしよう
戦争をしようよ
どれだけ相手に優しくなれるか戦争しよう
後悔の文句を
言えるだけ言ったのなら
癒えるだけ癒えればいいのに
傷を掻きむしる両の手
ボクら何も持たずに
生まれてきたのに
生まれた瞬間から
落とし物をさがしているんだ
今日も新しい
踏み切りをみつけて
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長い助走で飽きてしまう
追いつくもなにも
同じ道じゃないんだ
要らない過去の分子が
明日への軌道を濁した
光を妨げるためのカーテンも
必要がない気がするんだ
ボクら嫌なことから
逃げるの上手になりすぎた
便利な時代になったもんだ
人は不便なままさ
きっと不便なままさ
きまぐれで飼った
観葉植物だったから
いつか枯れると思ってた
枯れたから
いっちょまえに悲しんでみた
淋しくないよ
虚しいよ
嘘を吐いて
自分も騙す
出会わなければさ
水と光で生きてこれたのに
いつから愛が必要になった
1人で生きていけることが
分かったのに
いつから君が必要になった
どのタイミングで咲こう
いつ枯れよう
便利な時代になったもんだ
雨を避けるための
傘(理由)も
必要ない気がするんだよ
出会わなければさ
水と光で生きてこれたのに
いつから愛が必要になった
1人で生きていけることが
分かったのに
いつから君が必要になった
束縛から程遠い繋ぎ愛
種を飛ばして逢いにいくよ
言えるかな
過去を別けてくれよ
終着点なんかいらない
背負うような命じゃないから
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誰かボクを見ませんでしたか
拾ってくれた方には
謝礼にボクを一割あげます
いりませんか
そうですか
きっと、きっとそう
抱き合ったり
泣きあったりでしか
伝わらないはずの想いが
こんな簡単な音で
伝わるわけはないんだよ
ずるをした誰かが
短い言葉で
気持ちを表してしまった
瞬く間に大流行で
人が人で在るかぎり
流行語大賞
いつからか
嘘が生まれて
簡単な音は
価値をなくしました
どーしようもないくらいに
自分の心配ばかりしていたんだよ
困れば涙ってやつを流して
メーデー
ヘルプミー
エスオーエス
覚えたばかりの言葉で
助けを呼んでみた
これまた使い勝手がよくて
大勢の中で
孤独を知りました
命に上下関係はないのに
気がつけば競争の中
ジャンケンでも
あいこだけ出したい
優しい人は
すごろくを蹴飛ばして
自分を殺しました
冷え症の誰かは
温暖化の地球を
抱き締めました
同じ体温の地球
すごろくは
すぐにフリダシに戻る
もしくは後ろ向きに進む
君が何度か生まれ変わって
同じ人って形で
フリダシに戻ってきた
ボクはボクを
見つけてしまいました
とても近くにありました
お礼に
何か渡したいのだけれど
なにも持ってないんだよ
君は体温が低いので
分けてあげることにしました
何で四本足だったボクらが
二本足になったのか
きっと、きっとそうさ
君と並んで歩くためだよ
近寄れば
近寄るほど
見えなくなるものって何だ
見えてくるものって何だろ
なんだか
1人で生きてこれたのが
不思議だよ
きっと、きっと、
いま零れたのがボクで
想いで涙ってやつ
ボクの頬っぺを心を
いま拭ったのが君で
愛とゆーもの
やっと言葉って音を
脱ぎ捨てられるよ
ほらフリダシに戻った
ボクは誰でしょう
君は誰でしょう
同じ体温の二人
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非人道的な秩序を好む
病んでるわけないさ
謝意ボーイ
凍った車のフロントガラス
溶かした
次
次々
見えなくなる
ワイパーのスピードが
光を超えて
君に逢いたくなった
夜に過敏な
乙女の泣き言を好む
見えない理由を突き詰めて
諦めかける
ありきたり
先
先々
直線的な道でも
酔うときがある
前が見えなかった
星が多すぎた
払おうともせず
アクセルを踏み込む
ワイパーの軌道をなぞって
君の輪郭へ飛ぶ
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わざと絡ませた
イヤフォンを千切って
アスファルトに撒いて
水をあげよう
音が生る前に
音が鳴る前に
音に成る前に
ボクは急いで羊を数えた
耳に届くより早く
届くより早く
速く
数えようにも
指が足りない
拳銃を真似て
引き金を弾く
ロックンロウル
眠れるわけがないだろう
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窓ガラスに息を吐いて
きっと
それくらいの意味しか
含まれていなくて
何処で息をとめようとか
何でもない夢を
追い詰めにゆこうだとか
遠すぎる日曜を
望む月の日
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言葉を越えようとして
越えられなくて泣いた
食べた泣き言は
胸につっかえて
心臓を止めた
心はここだよ。
ここだよ。
なかなか眠れなくて
泣いてるうちに朝だ
切り替えが大切だって
太陽が急かすから
また泣けてくる
最近、鏡は
覗かなくなった夜半過ぎ
朝方は遠出する
止まった心臓から
宇宙の隅から
この星を見下ろす
なぁ地球
おまえ、ちょっと
青すぎやしないか。
言葉を越えようとして
越えられなくて泣いた
心はここだよ。
ここだよ。
聴こえないふりの
午前午後
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「メリー」
終わらない、じゃれ愛を延々と
朝・昼・晩とも三食いつも
離ればなれでも
パーティーだ
携帯に触れるだけで、僕らは繋がり
おやつどきでも、しゃべりっこするよー
君は僕に、何度も聞く
「私を好き?」
例えば、
港に着かない
豪快な航海
いつまでも大海原をぐるぐる巡る
大部屋では、詩歌読みダービーギャンブルでもいかが?
それぞれのドア
コブシで叩こうとしてんのは誰だい?
でも、それ見て乗り手が増えるから、計画は続行されちゃうワンダー
枯れてからがピーク
紅葉にとける船
まるで動く割烹で、樹木製生かし草花がそのままテラスに咲いて
メインデッキでは、
ナイターシャワーでロマンづくりを補佐
僕ら・チアボーイの出番
海に浮く灯台の明かりの暖色ではじけ飛び
潮騒の咆吼にハーモニーするライブ合唱さ
よしっ、
もう、こうなったら、
やっちゃえ、行っちゃえ
「太平洋ど真ん中ツアー」
空中に浮かぶ旅館で、
皆ではしゃごう
銀河の奥から、おいでと叫ぶキリストが、
仏陀と手を組んで 待ってくれてるらしいから、
メリーなんてもんじゃない、
ベリー・マリー
バリューセットの、
21世紀アドベンチャー・デイズ・アンド・ナイツ
星屑の微熱をうばえ、
星空に虹を懸けるよ
こういうの、全部
カウントダウンのせい
イブまであと20日を切った
ほどよいアプローチの日々
でっかい太陽を海に沈めろ
シャープな月とルンバを踊ろうよ
君も目のきらめきに、とかし込め
どうか来ないで、12月25日
ずっと24日目前までの、“雪待ちぼうけ、カレンダー眺め小僧”で居たい
終わらない、じゃれ合いを 延々とする
師走雪を抱き
白ヒゲをたくわえる
僕ら
顔・見合わせて笑って、
拍手だけのカラオケが、
胸なでて、うれしさそそる
みんなは、互いにお互いを何度も聞く
「私を好き?」
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枕が硬くて寝違えた晩秋
距離を読み違えて
伸ばした手は
掛け違えたボタンの
愛しさを射る
冬に届いて弾ける
ささくれた指は
マフラーを引っ掻くんだ
上手く慣れる予定日は
顔に嘘つきと書き殴って
放棄したい今、光
自動ドアが開くまで待てないボクは
何も残らないことを記す
夕陽が昇る
目覚ましじゃなく寝るためのアラームが唸る
ごめん、あそばせ
枕なしで眠る今日
どーか君に似た淋しさを