詩人:あいる | [投票][編集] |
月光に照らされうつる影
月はじっと見張っていました
鋼鉄のような愛のくさりに錆びれる風を吹かせよう
それでもホロホロ
ホロホロと
影は雫をこぼします
おぼろが鈍く光を放つ
月に吠えるノラ犬はお道化ず
月夜に照らされ濡れる影
ひどく静かに咲いていました
やっとはずれた哀のくさりを自由と束縛の世に投げました
うまく咲けるかわからずとも
ホロホロと歩きだすしかないのです
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荒ぶる感情音をぶちまける
滞ったボクの老廃物を薄めて
ぶった切った血管を
喜怒哀楽に繋げて掻き鳴らす
痛すぎるくらいの快感が突き抜ける
遠のく意識の中
人で在りたい
世界との共存
ボクはボクにきらわれてたんだな
世界に愛されるはずがない
こんなに心臓はあったかかったんだ
行く手を塞ぐ水溜まりに映る空に飛び込む
抱いているのか
抱かれているのか
青と雲の二色の翼
心臓につけるキスマーク
もうすこしだけ、
がんばれるかい?
脈打ちだした心動が
翼に深紅の波紋を広げる
ボクの血を空に溶かして
ほら、奇麗な夕焼け
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良いこと悪いこと
今までのできごと
全てを忘れるのはバカだけど
今は、今はバカでいい
何度でもあなたと繋いどきたいの
心とかゆーやつを
寒くなったら君のもとへ
暑くても君のそばへ
今もこれからも君がいい
単純だけど素敵な未来とかゆーやつを
いつでも触れていたいと願ってしまうよ
シンプルなもんさ
人間なんて
良いこと
悪いこと
今までの絵空ごと
そのたびに
ボクはバカになるから
君の中にボクよ焦げつけ
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持ってる匂いは夏の風
そよ風が「素敵よ」
青空の雲を流していく
麦わら帽子がフワッと轍道に落ちた
日陰で仰向けに寝転がる
海鳴りの子守歌
蝉時雨が包んでくれる
干された布団
開け放たれた窓際の風鈴が揺れる
虫採り網から抜けだした蝶は
空を海だと想いこんでいる
いつのまにか
ぬるくなった麦茶
陽は沈み始めていた
蝉の脱け殻は
命にしがみついている
あの蝶は
うまく泳げてるかな
夜空の星屑
瞬いている星が
いつかの蝶に観えた
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観客のいないパントマイム
ひどく滑稽で美しい
ボクは誰
確かめるには君が要る
噴火寸前
感情論
火薬なしの
しけったダイナマイト
着火オーライ
命はやたら眩しい
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大好きより大好きな言葉を
愛してるより愛してる言葉を、
どうして人は生みださなかったんだろーか
不思議でしょうがなかった
結局は
自分の心に一番近い
言葉ってゆーのを着せてあげて君に届けるわけで、
そんなんでもボクの気持ちには全然届かないわけで、
そこで不器用なボクの思いついたのは
君を抱きしめること
君の気持ちを抱きしめること
そうか、なんも言葉なんか生みださなきゃよかったんだよ
突如、不意をついた
君の二文字
すき
とゆーわけで今日もボクは言葉の海で
遭難する
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空はボクのことばを反射しない
突き抜けては宇宙でゴミクズになる
そんなゴミクズでも光は照らすから
ちいさなボクやボクたちは綺麗にみえちゃうんだ
真っ白で美しい夢たちをみせるんだから現実でがんばりなよ
誰かたちが信じてきた運命ってゆう迷信
見たくないものを見ないために人は寝るのに
そんな夢ばかりみせるならそれを悪夢と呼ぼうか
目を覚ました世界ではつじつまの合わない会話と笑顔
寝ることも目を覚ますこともどちらも放棄するよ
吐いたゴミクズは自分で掻き集めよう
忘れかけたころにそいつらが帰ってきたら
キラキラかがやいているように
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ひねくれた虹がそこにあった
きれいな夢はみせてはくれない
そもそも何が綺麗かわからない
なないろの鈍い光は体にのしかかるから
よけいな夢を見せるから
そこでもう一人の自分は
嘘の感情で固められた服を体に縫い付ける
よそ行き顔の生きたマネキンから
汚い疲れた笑顔が
縫い目から歪んで隠しきれずわいて出てくる
ぼくはまだその場所から動けずにいる
この夢が覚めたら
ボクはボクだかわからない
眼を閉じる
色はなく闇に浸食され
浅い眠りにつく
ぼくはまだ目蓋の裏の鮮やかな虹を見ている