詩人:あいる | [投票][編集] |
噛み合わなくなったファスナー
中のものが取り出せない
錆びてるからじゃない
けがれて古びたからじゃない
失くしたくないものがあるんだ
もう手放したくない感情ごと
誰にもさわれないように
いつも大切に持ちあるっていた
ふとしたことからファスナーが開いた
口をあけた空っぽのバッグ
何処かに落としたのかな
私だけの星
戸惑いと焦りの津波
夜の薄闇が視野を染め上げていく
いつも私を照らしてくれていた
幻だったのかな
私はバッグを投げ捨てる
ビルの屋上で朝を待つ
ふと地上に輝く灯り
私の一番星
錆びても
古くなっても
ほころびができても
何度でも紡ぎあわせて
この感情を大切にしてた
形なんかなかった
私は安心して自分の胸を押さえる
バッグはもういらない
この手はあなたを抱きしめるために
あなたと繋ぐための手だ
愛してる
愛してる
愛してる
星空のなか
抱きしめあい繋ぎ愛
二人はファスナーになる
いつも私を照らしてくれてたんだ
重なる唇
閉じた瞳の奥に形のないものがみえかけて溶けた
詩人:あいる | [投票][編集] |
月光に照らされうつる影
月はじっと見張っていました
鋼鉄のような愛のくさりに錆びれる風を吹かせよう
それでもホロホロ
ホロホロと
影は雫をこぼします
おぼろが鈍く光を放つ
月に吠えるノラ犬はお道化ず
月夜に照らされ濡れる影
ひどく静かに咲いていました
やっとはずれた哀のくさりを自由と束縛の世に投げました
うまく咲けるかわからずとも
ホロホロと歩きだすしかないのです
詩人:あいる | [投票][編集] |
荒ぶる感情音をぶちまける
滞ったボクの老廃物を薄めて
ぶった切った血管を
喜怒哀楽に繋げて掻き鳴らす
痛すぎるくらいの快感が突き抜ける
遠のく意識の中
人で在りたい
世界との共存
ボクはボクにきらわれてたんだな
世界に愛されるはずがない
こんなに心臓はあったかかったんだ
行く手を塞ぐ水溜まりに映る空に飛び込む
抱いているのか
抱かれているのか
青と雲の二色の翼
心臓につけるキスマーク
もうすこしだけ、
がんばれるかい?
脈打ちだした心動が
翼に深紅の波紋を広げる
ボクの血を空に溶かして
ほら、奇麗な夕焼け
詩人:あいる | [投票][編集] |
良いこと悪いこと
今までのできごと
全てを忘れるのはバカだけど
今は、今はバカでいい
何度でもあなたと繋いどきたいの
心とかゆーやつを
寒くなったら君のもとへ
暑くても君のそばへ
今もこれからも君がいい
単純だけど素敵な未来とかゆーやつを
いつでも触れていたいと願ってしまうよ
シンプルなもんさ
人間なんて
良いこと
悪いこと
今までの絵空ごと
そのたびに
ボクはバカになるから
君の中にボクよ焦げつけ
詩人:あいる | [投票][編集] |
持ってる匂いは夏の風
そよ風が「素敵よ」
青空の雲を流していく
麦わら帽子がフワッと轍道に落ちた
日陰で仰向けに寝転がる
海鳴りの子守歌
蝉時雨が包んでくれる
干された布団
開け放たれた窓際の風鈴が揺れる
虫採り網から抜けだした蝶は
空を海だと想いこんでいる
いつのまにか
ぬるくなった麦茶
陽は沈み始めていた
蝉の脱け殻は
命にしがみついている
あの蝶は
うまく泳げてるかな
夜空の星屑
瞬いている星が
いつかの蝶に観えた
詩人:あいる | [投票][編集] |
観客のいないパントマイム
ひどく滑稽で美しい
ボクは誰
確かめるには君が要る
噴火寸前
感情論
火薬なしの
しけったダイナマイト
着火オーライ
命はやたら眩しい
詩人:あいる | [投票][編集] |
大好きより大好きな言葉を
愛してるより愛してる言葉を、
どうして人は生みださなかったんだろーか
不思議でしょうがなかった
結局は
自分の心に一番近い
言葉ってゆーのを着せてあげて君に届けるわけで、
そんなんでもボクの気持ちには全然届かないわけで、
そこで不器用なボクの思いついたのは
君を抱きしめること
君の気持ちを抱きしめること
そうか、なんも言葉なんか生みださなきゃよかったんだよ
突如、不意をついた
君の二文字
すき
とゆーわけで今日もボクは言葉の海で
遭難する
詩人:あいる | [投票][編集] |
空はボクのことばを反射しない
突き抜けては宇宙でゴミクズになる
そんなゴミクズでも光は照らすから
ちいさなボクやボクたちは綺麗にみえちゃうんだ
真っ白で美しい夢たちをみせるんだから現実でがんばりなよ
誰かたちが信じてきた運命ってゆう迷信
見たくないものを見ないために人は寝るのに
そんな夢ばかりみせるならそれを悪夢と呼ぼうか
目を覚ました世界ではつじつまの合わない会話と笑顔
寝ることも目を覚ますこともどちらも放棄するよ
吐いたゴミクズは自分で掻き集めよう
忘れかけたころにそいつらが帰ってきたら
キラキラかがやいているように