詩人:あいる | [投票][編集] |
君の言葉が
麻酔のように染みて
辛いことを鈍感にしてくれる
ボクの声には
睡眠作用があるらしい
キミがよく眠れるように
長電話しよう
みんな誰かの執刀医
成功率は五分五分ですね
君の心は今夜が山だ
君自身が助手をして
器用なほうではないけれど
壊れてしまうなら
ボクの心を移植しよう
涙はを待ってるから
焦らないでのんびり泣こう
歩み寄ってくれる
君を待ってる
孤独を焼き尽くす炎になる
融通のきく毛布になる
瞼を閉じるための音楽になる
今日を知らせるカレンダーになる
平凡を感じさせてくれる通勤電車になる
君のボクになる
ボクの君になる
失敗なんて本当はないんだ
鼓動は気分に任せようよ
完治なんてしなくていい
この胸の高鳴りを分け合って
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たとえその水をあげている蕾が開かなくても
咲いても咲かなくても
花の名前は一緒
美しいままで
枯れることも知らずに
裸足で根を張り巡らせ
泡になってしまえ
ぎこちない素振りの雨音
新芽の力になるか痛めるかはいつだって紙一重だから
指切りで距離なんて放り投げて放り投げて
芽を出した双葉は羽のように虹を架けるよ
幾重にも重なる大気圏から
飛び出して光を求めて
最初で最後前ならえの列からはみ出そう
順番抜かしでいい
迷路のような根も伸ばして伸ばして
いつか君に届きますように
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これがあれば大丈夫って
希望を持たされた
大事に握っていられなくて
持て余して手放した
大丈夫ってずるいな、なんて笑えるならまだ大丈夫。
何があれば大丈夫って
感情を渡された
上手に扱えなくて苛立って
持て余して片付けた
充分使いこなしてる、なんて自覚してるから大丈夫。
あとはこれしか残ってないって
呆れながら愛を持たされた
大切なのに無くしてしまって
振り回されて見失った
それだけは
渡す側になれるらしいよ
そういえばボクも
これがあれば大丈夫って
鍵を持ってたな
結局トビラは開かなくて
いま思えば
鍵穴は君だよ
失ったモノを探すより
創ったほうが人間らしいよ
押して駄目なら抱きしめて
持て余して
いっそ零して
撒き散らしながら
これからも
君は君でいいの。
出さなきゃ負けよ
愛こでしょ。
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何となく飼った熱帯魚
いつも不思議だった
魚が水を汚すのか
水自身が汚れていくのか
ボクはどうなんだろ
汚れたのは社会のせい?
ボク自身かな
何かのせいなら楽になるかな
そう思うと
また少し汚れた気がした
右も左も善悪も
喜怒哀楽も作り笑いも
それとなく身についたけど
この汚れの正解は?
正義と正義の戦争だ
喧嘩の時点で両成敗
どちらにもデメリットはあって
とどのつまり相手から見れば対悪なのかなぁ
それは寂しいことだよな
きっととても寂しいよな
話は戻るけどこの詩の
タイトルは漂白罪
償うのが人生なわけないよ
正解も正体も今は曖昧にして
下手くそになる仲直り
上手なふりの強がり
浄化しあう作業を
愛と、呼ぶのなら
汚れた君をもっと見せてよ
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紅葉に溺れて窒息したかった
秋を小脇に抱えたまま
冬に踏み出した
日々の雑念を星屑割り
グラスの中に
流星が走るから冬は好きだ
真昼にも星は流れてる
秋にお別れできずにいる
季節の変わり目で
足踏みしてた君
巡るのが1年に1度なんて
遠距離恋愛みたいだ
紅葉に溺れろ
君なら泳ぎきれるか
ボクら新雪をメリメリ踏みならして手を繋ぐんだ
毎日聞いてうんざりなんだ
エコなんて言葉忘れて
君と一緒に吐き出す煙草の煙
無言のフキダシみたいだ
愛しさと切なさのハイブリッド
燃費の良い心じゃないけれど
細胞が季節を網羅しても
君というフィルターを通さなきゃ
季節はただの日めくりカレンダー
とりあえず、
君しか見えないくらい
真白に染め上げてよ雪
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空を飛ぶ夢
そんな夢もいいけど早く
君のいる現実に戻してよ
ずっと探してる
目の前にいるのに探してる
どの口が言った?
ノドから手が出るほど欲しかった
想いを声に変換すれば
こんなにもちっぽけだ
詩が浮かんだとき
誰に話せばいい
焦がれる気持ちに反比例
本音が隠れていく
ノドにつっかえていた
音が眼から零れるよ
やっと見つけた
つい、いま見つけちゃった
ちっぽけだから
聞き逃さないでね
もう少しそばにおいで
ノドからじゃなくて
口からでもないよ
千差万別
十人十色
そんなん承知の助
こんな詩があるって
君に話したい
読みおわらない本を
エンドロールのない映画を
鳴り止まない音楽を
終わらないジャンケンを
この音が君だけの
君にだけの音になれたらな
君に送るよ
いま送るよ
グーチョキパー
勝ち負けなんか必要ないの
君が好きだよ
あいこでしょ
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恋をしようと君がいう、
泡をただ眺めている
それは化学の実験のようで
失敗も成功も投げ出しちゃって
クローゼットは
今も半開のまま
ジキルとハイドにダンスミュージック
透けるタイプライター
聞こえてるのに
恥ずかしくはないかい
飛び交う視線なんて
塗り重ねて君のチーク
地雷はファストフードのドライブインに
気遣う会話は人類の退化に
ひび割れた過去は東西の仕分けに
読唇術も読心術も興味がないダンスミュージック
朝方のドライブイン
少し、少しだけ
その輪郭のぼやけた灯りを
わけてくれないか
袋小路のシロナガスクジラ
泡をただ眺めている
スパークリングワイン
ドン・キホーテと風車にダンスミュージック
積もり積もった塵は
7色の尾びれに
白旗は打ち込んだ杭に
花色の猫は瓦屋根に
戦後初でも
全米が泣いても
全然信じないんだ
全ては体感が決めるんだよ
恋をしようと君がいう、
らしくないなとボクはそばに行く
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一言目から瞬きを忘れた
優しさと悲しさの比重は
イコールで結ばれなくてもいい
答えは空白でなければいい
Theがつかないエンディングも
渡っていくよ音のない街
永遠はたまに見えてしまう
傍を照らしては霞む
譲り渡していく
光のバトン
耳を澄ませ
限りなく澄ませ
二言目には、優しさ悲しさ
字は違えど
同じ読み方にしよう
やっと眼を閉じる頃
見えないように君は笑った
読み方は君に任せるよ
えいえんなんてとわに溺れろ
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眩しさの欠片もないやつらだ
低空飛行の流れ星
あてつけのように
ボクら祈るばかり
責任の所在は
もう西に沈んでまた明日
交代勤務のフルムーン
みせしめのように
黙ってついてくるばかり
今が今で在るのなら
もうハグの代わりに
願いごと衝突しあって
声を照らしてしまえよ
南中を過ぎるライナーと
発光するボクらの秋空
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ノートの余白に遊ぶ光
書いた文字も
今は姿を消して、消して
あの月の塗料は
綿菓子に似た君の気まぐれ
浅瀬では簡単に溺れるのに
深海では呼吸ができる気がしちゃうんだ
白んだ空と霞んだ星
瞬きひとつで呼吸を染めろ
新聞紙に踊る感情の螺旋
かなしいうたも
今日は笑って、笑って
あの月の塗料は
綿菓子に似た君の気まぐれ
願いごとを3回書いた
ノートの余白に奔る光、光