詩人:あいる | [投票][編集] |
眼を閉じないでキスをした
遠い夏を目指してたら
いつのまにか
追い越しちゃってて
水っぽくなった麦茶は
あと一息で
水にはなれなかった
夏服が透かした虚栄心は
はるかに薄いブルー
恋なんてまっさらよりは
濁るホワイト
曖昧だから
美しいものがあるんだよ
君は洗い上がりのシャツみたいに知らん顔してる
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あんなに簡単だ
ガラスが薄すぎたんだ
もれなく赤ちゃんから
老人までがたたき割ってる
シロクマが最後の流氷で、もうお手上げだって白旗振ってる
攻撃は最大の防御
そういって争いは続いた
蟻たちは行列を作って何万年もデモ行進してる
あの日、何て言ったか聞けなかったことを懺悔してる
その川を渡ってこいよ
膝丈までの水で永遠は溺れた
晴れすぎてて眼が開けられなかった
いつも無口なあの子が
なんだか今日はよく笑った
どーすることもできないな
どーすることもできないな
もう色も香りも出ない
ティーバッグに
祈りながらお湯を注ぐ白昼
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もし、どの命も
望まれて産まれたわけじゃないなら
自分で望んで産まれたんだよ
誰が意識を開拓したって
それは君であって別の君さ
大人たちが集って
複雑な夢を見せるのは
どんな夢だか
忘れちゃったせいだよ
比べ散った幸せの単位は
比べた時点で誰のため?
時間の正体は諦めた夢の残像
日没も日の入りも
ボクらが振り回されてるんだ
もし、どの命も
拒まれて死んだわけじゃないなら
自分で拒んで居なくなるんだよ
ボクが君を
キミと決めつけても
満点はもらえないんだ
子どもたちが腹を立てて
靴を脱ぎ捨てるのは
諦めることを
知ってしまったせいだよ
測った未来の影は
明るい場所でしか測れなかったんだ
思い出の正体は
まだ見えてる温もりの実像
12時も24時も
ボクら夢を見るの
もし、もしもがなくて
君とボクがいるなら
結果なんて破り捨てて
命と向き合うよ
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世界からなくなっちゃえで
いなくなっちゃったら
なんか、
とても申し訳ないし
似合わないんだ
贅沢は敵らしい
じゃあ味方はなんだろな
君といることが贅沢なら
ボクはどこにいればいい
限りある時間の中で
限りあることをしてみるよ
使いきらなくていいよ
君と分け合って余らそう
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昔々あるところに
君とボクがいて
どちらが散らかしたの運命
どちらが片付けるの後悔
もう一歩も動けないなら
そこでしゃがんで泣いてていいよ
ボクも隣でしゃがんで
君より大きな声で泣くから
最近最近まで
あるところに
君とボクがいて
誰がこの星を回してるとか運命とか気になりますけど
見えない誰かより
大切な人がいるんです
アーメン
なみあむだぶつ
君はボクに呆れてて
歩調速めて前を歩くけど
たまに後ろを振り向いて
小さく笑うんだ
照れ隠しなんかいらないから
えくぼ作って笑ってよ
ボクも隣で歯みせて
君より大きな声で笑うから
未来未来あるところに
ボクの目の前には君がいてね
きっとね
理想論だとか寿命だとか
どうでもよくてね
1秒先の明日の心の
もっと先の
あっちの世界でも
おしまいおしまいはなくて
めでたしめでたしもいらなくて
君の冷たい手を
これからもずっと握らせて
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木曜日の地下室で
偶然崩れる概念だよ
積み重ねる恐怖心
こっちにおいでラララ
偽った電気のせいで
白い壁が黄色く見えて
淀んでないよ
喉だって震える
追いかけるまでは
達しないくらい
少しだけ胸を焦がして
それがそのまま
お別れの言葉になるんだ
嘘みたいな金曜日で
ほんとにウソなんだろ?
何処よりも此処に雨が
降りますように
ボクが溺れるくらいに
降りそそいでほしい
泣き止むまで泣けばいい
小説のように流れるように
時間の濁流が押し流していけばいいのにな
身動きができないような
みず色ですべてを真っ白に塗り潰していいよ
見事に裏切る晴天は土曜日
かさついた唇に
リップクリームを塗る
乾いた空気に
よく通る声で
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遠くの看板の文字が見えない
そうやってボクら
あたりまえのよう
有耶無耶になってく
水に延命処置を施そう
傷には消えない名前をつけよう
空の水槽で
光だけがしなって泳いでた
半月みたいな口して
笑ってみろって
やってみたら
唇の端っこが小さく切れて
強がりって棚に隠してた
滞納してきた涙たちを
君に返した
やっと少しわかったよ
君は朝焼けみたいな口で呟く
預けてくれてありがとう
分けてくれてありがとう
そうやってボクら
あたりまえのように
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手放すのが嫌になるから
君が吐いた白い息ですら
掴んで離したくはないよ
空虚な朝を追い越したんだ
くれたものは形をかえるよ
滲んだり枯渇した思い
でも想い続けることだけはかわらないよ
星が見えなくなる夜明け
この短い腕じゃ
流れ星を掴むのは
たぶん無理だけど
君を抱きしめるくらいなら
ボクは自由を捨てて
君という不自由へ
タオルケット一枚じゃ、二人のすべてを覆えないけど
時間くらいなら誤魔化せるよ
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『育み愛』
たくさんちょうだい
1つでもいいよ
言葉は心よりでしゃばるけれど、
本音の手前でうろちょろするのが2人らしくて
君のスカートの裾みたいに
素直になりたいよ
マグニチュード100が来ても凍え死にそうになっても瞳は太陽のおすそわけ
君が嬉しがらなくても
僕はいつも心底嬉しい
大きく泣かないけど
胸で小刻みに泣けてる
愛の命が
春先に遊んでくれる
木の枝で編んだベッドで
木漏れびと指をからめ合わせて
ボクらの思いを混ぜ合わせ
愛を綴ろう