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あいるの部屋


[104] ソウルフルワンダーヘヴン
詩人:あいる [投票][得票][編集]



振りほどいた手は
胸が痛む優しい過去しか
掴めないで切なく


ボクが瞬きで
切ってきたシャッター
現実に
だぶって見えちゃうんだ




ベンチに座っている君



となりは空いてますか。





ベンチの隣
ボクの右手にはらりと青葉


こんなに若い葉が
散らなくてはいけない訳を教えて。




一生に一度のお願い


ここが使う場面だろ。
君なら笑ってくれるだろ。
苦しいときだけの神だのみ




一人になってから
ドライアイ

かさついたシャッターを
切り続ける

湿った日々にドライ愛

君のいない写真は
ひどく馬鹿馬鹿しいよ




もうたくさんだ
空の青の美しさも
海の深い雄大さも
街のイルミネーションも


もうわかったから





一生のお願い。




君に


君に逢いたい





柄じゃなく胸が弾むんだ


周りなんか見えちゃいない生きていることが天国さ





となり空いてますか。


ふいに
右手に重なる左手と青葉


涙でピンぼけた
シャッター音


ポタポタ


くすりゆびに
おそろいのリング


静かにシャッターを切ろう

胸が弾むんだ
ソウルフルワンダーヘヴン

2006/06/22 (Thu)

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