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あいるの部屋


[237] オウケストラ
詩人:あいる [投票][得票][編集]




ミカンを剥いて爪が黄色くなってタイムスリップ
行こうかな


隣人のイヤフォンから洩れる細い痛み
天才が剥離、
そのメッキを抱いて抱いて


薄力粉みたいな憂鬱のペダルが対称的に回るボクの上

擦り寄る黒猫は
ミルクの匂いがした


どこまで逃げたって
上手に隠れたって
陽はまた昇る月は沈む
君の手を追いかけて飛ぶよ


膝を擦り剥いて傷はオレンジに染まってタイムスリップ
行こうかな



手紙を入れたボトルみたいに投げた瞬間にゴールは見えてた

発色する天秤は重りなんかのっちゃいなかった


君の下敷きに反射した光の影は
プールの水面によく似ていたんだ


シンバルの一撃にかけて
いま、世界を産むよ




2009/10/01 (Thu)

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