ホーム > 詩人の部屋 > あいるの部屋 > 流夏 るか

あいるの部屋


[24] 流夏 るか
詩人:あいる [投票][得票][編集]

持ってる匂いは夏の風


そよ風が「素敵よ」


青空の雲を流していく


麦わら帽子がフワッと轍道に落ちた


日陰で仰向けに寝転がる


海鳴りの子守歌


蝉時雨が包んでくれる


干された布団


開け放たれた窓際の風鈴が揺れる


虫採り網から抜けだした蝶は




空を海だと想いこんでいる


いつのまにか


ぬるくなった麦茶



陽は沈み始めていた



蝉の脱け殻は


命にしがみついている




あの蝶は


うまく泳げてるかな





夜空の星屑



瞬いている星が




いつかの蝶に観えた

2006/02/08 (Wed)

前頁] [あいるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -