詩人:和泉 | [投票][編集] |
最初は
何もかもがゼロだった
初めからなければ
求めることもないのに
一度 味を知ったら
求めずにはいられなくなる
それが
美味しければ美味しいほど
最初は
何もかもがゼロだった
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愛さえも
愛しく
埋まらない悲しみ
絵本の世界に憧れたら
おかしがられるかな
傘に入りきらない愛
消えてしまいそうで
口ずさんでみる
消しゴムがなくなる頃
恋しくなるのはボクのほう
咲いて散る花の如く
視界を埋め尽くせば
掬えるだけ掬おう
世界は狭くもあり広くもある
そんな場所に生きる現実(いま)
たいした嘘はつけなくて
誓いの言葉はまだ胸の中
月より近いはずなのに
手を伸ばす距離にはないの
止まるを知らない心
泣けない理由
逃げない覚悟
濡れた頬は自分のせい
眠れぬ夜はないけれど
飲み込む言葉はまだあるの
放てぬ想いがある
秘密が秘密を呼ぶ
不意に降る悲しみ
下手な嘘
星の数よりも
巻き戻し不可能
見返り不要
無二の時間(とき)
目指す未来(さき)
ものさしは必要な距離分だけ
山びこは帰ってきたか?
結わいた紐はまだ繋がっているか?
四葉は見つけられたか?
ラインは時に頼りない
リーチは今だに遠く
ルートは未完成
レンガの家のように頑丈じゃないけれど
蝋燭の火は今だ灯る
別れはできれば訪れなければ と
まるで果てのない祈りのよう
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雪景色のように
白さだけが存在(あ)ったなら
綺麗なのにね
積もった雪につく足跡のように
人間
いつまでも 白ではいられなくて
積もった雪が
溶けずに
いつまでもそこに存在(あ)れば と願うのに
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断片化した記憶
幾千のピースを繋ぐが如く
時間が経つ度に
消えゆくものなら
嗚呼…
必死になって手を伸ばすよ
今日あるものが
明日の失いに変わるのならば
こんな悲しいことはない
永遠のないこの世で
不変を求める今日
変化し続ける日々
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一人が一人と相乗り
ゴンドラが地上から天へ
天から地上へ
それは短きも長き時間(とき)
地上に舞い戻ったゴンドラ
そうして
ボクが加わる
いずれ
ゴンドラはボク一人になり
いずれ
誰かと相乗りし
空と地上の間を
何度も行き来して
ゴンドラは
人で溢れ返るといい
観覧車は
まだ回り始めたばかり
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綺麗な言葉をオブラートに
隠し続けた 何か
誰かの言葉を
「綺麗事」と笑う誰かは
それらが舞い降りたなら と
切に願ったりは
しないのだろうか
生まれたままの白さで
歩くことが できないのは
世界が色付いているからで
それでも
それでもね
幼き頃
見た夕日を綺麗と
胸締め付けた あの想いは
形は変われど
まだ ここにあるから
あの日の夕日は
白ではなく
燃えるような橙だった