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和泉の部屋


[29] リッスン
詩人:和泉 [投票][編集]


口に広がる苦み
かさかさの唇から漏れる溜め息
ぼうっと
何かを見ているようで
見ていないようで
瞼を閉じれば
消えるはずの映像が
残像となって
そこにあって

唇を動かなきゃ
口を開(ひら)かなきゃ
聴こえないよ

君の声が
僕の声が

聴こえないね


溜め息ばかりが充満する部屋
空気は最悪

窓を開けて換気をしましょう

溜め息が消えたなら
君の声を聴くよ

空気を震わせて
空気を波打たせて


さあ
僕の声を聴いて

2006/07/02 (Sun)

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