詩人:柚樹 | [投票][編集] |
小さな想いが芽生えた
それから
想いが強くなった
それから
汚い気持ちも芽生えた
それから
それも強くなった
それから
貴方を捕らえたくなった
それから
貴方を手に入れようと
努力して努力して
手に入ったのは、空っぽの貴方のカラダ
芽生えたのは
残ったのは
もう遅過ぎた後悔
それから
それから?
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暗い夜道を、ひたすらに
ひたすらひたすら駆け抜けた
病院の中に走り込み
院内を一人駆け抜けて
婦長に小さく怒られた
嫌だったんだ、止まるのは
不安定な空の色とは違う
ここの蛍光灯は冷徹で
希望など無いのだと
無機質な機械音が支配しているのだと
そしてアルコールの匂いが全てを
君の死を語っている、
気がした。
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むこうむこう
山のむこう海のむこう
きっと良いことあるはずと
待って居たとて始まらぬ
邪推ははびこり夢は隠れぬ
麻酔は効かずに涙に酔いぬ
とおくとおくの潮騒が
耳の奥には響いてた
とおくとおくの潮騒が
むこうむこうの悲しみが
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梅雨時のこの雨が
私と貴方を近付けてくれた
私なんか眼中に無いって
そんなこと痛いくらい分かってるけど
分かってるけど
夢を見たいの
再会した貴方に、夢を
優しい雨
どうか止まないで
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何度泣いたってまた懲りずに君は
小さくなることとか考えずに
そのまま
そのまま
その想いを武器にして
あの人を奪った現実に一人
立ち向かって行くんだね
例えば熟れた果実が君をたしなめても
青い果実が君を望んでも
その優しい涙を静かにこぼして、一人
また走り出すのだろう。
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どうか君を幸せに
何度願ったことだろう
何度祈ったことだろう
僕には無理と知りながら
何度望んだことだろう
君を幸せにしたいと思い
君を幸せにしたいと願い
僕は君を残していくけど
僕は君を残して逝くけど
今は唯
空と君との間に
僕がいられたら良いと
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空が唸れば傷が疼く
音を立てる様におぞけ立ち
ざわりざわりと傷が疼く
昔むかしの声がする
海が唸れば心が騒ぐ
水面に風がささやく様に
さわりさわりと心が騒ぐ
昔むかしの音がする
君を捕らえた海鳴りが
遠く遠くでささめいた
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微かに笑う君を見つめて
戸惑い顔の僕がいたんだ
さよならさえも上手く言えずに
言葉に出来ない想い無理に飲み込んだ
忘れて下さいと願う君があって
忘れたくはないと強く思う僕が居た
ツバサを広げ
崖へと向かい
走り出したら
君に会えるの?
上手く飛べずに
墜ちて行っても
君がいるなら
幸せと笑うだろう
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愛していると囁いて
嘘でも良いから囁いて
悔しそうに顔を歪めて
それでも瞳をギラギラ光らせて
血が滲むほど噛み締めたその唇でサ
愛していると囁いて
綺麗な顔を歪ませて
この世で一番憎い者を見るような目で
僕のことを睨み付けたままでも良いからサ
愛していると囁いて
嘘でも良いから囁いて