詩人:かものはし | [投票][編集] |
わたしはいい人を演じている
間違いない
人の悪口は言わず
頼まれれば断らず
お年寄りには席を譲り
飲みの席でも気を使い
赤ちゃん見れば手を振って
重い物は無理して持って
泣いてる人とは共に泣く
ふと わたしは想う
わたしはいい人なのではないか と
何となく嫌な気分になった
道端の草をむしる
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苦笑いの男は残酷な少女にこう言いました。
「生まれ変わったら 一緒になろう。」
残酷な少女は少し笑って言いました。
「うん いいよ。」
そう約束して二人は別れました。
苦笑いの男は無知な妻と結婚をし、
残酷な少女はただの少女に戻りました。
苦笑いの男は、無知な妻の後ろ姿に問いかけました。
「僕らはどうして結婚する事になったんだろうか」
すると無知な妻は真面目な顔で振り返り
「だって 生まれ変わったら一緒になろうね って約束したじゃない。」
と言いました。
苦笑いの男は苦笑いをするのみでした。
おしまい。
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4月17日 今日も雨 ------------------------------
憧れのあのひと 人気者
あんなに綺麗な人と ほら・・・ 仲良さそう
あたしなんか どうせ カエルみたいだし
そっと自分の中に閉じこめておく この気持ち
わざと嫌いになろうとしては そんな自分が嫌いになり
無理して笑って悲しくなる
どうしてこんなに苦しいんだろう
もう忘れてしまいたい もう忘れてしまいたい
また思い出しちゃった また思い出しちゃった
どうしてこんなに苦しいんだろう
あきらめた恋
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その あきらめた恋の相手が もしも僕であったなら
あきらめないでくれないか?
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白状しよう
わたしはモテたい
白状しよう
あまり美味しくない
白状しよう
早く帰りたい
白状しよう
その話はもう聞いた
白状しよう
あんたはそんなに凄くない
白状しよう
君が好きだ
白状しよう
振られるのが怖いんだ
白状しよう
仕事が好きなんだ
白状しよう
武勇伝は見事に無い
白状しよう
風邪なんかひいてない
白状しよう
実は貯金がある
白状しよう
秘密の名前で詩を書いている
白状しよう
謝らなければいけない事がある
白状しろよ
謝りたくないんだろ?
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カスタネット娘 カン カン カン
階段の後ろから
いつものように聞かせておくれ
朝日と共に 鋭い音で眠気を覚ましておくれ
正確なリズムで 雀と一緒に歌っておくれ
カスタネット娘 カン カン カン
エスカレーターの後ろから
いつものように聞かせておくれ
けだるい午後は 無表情に追い抜いておくれ
有機コーヒー片手に無機質な甲高い音で奏でておくれ
カスタネット娘 カン カン カン
一人ぼっちの階段で
いつものように聞かせておくれ
悲しい事があった夜
カスタネット娘 カン カン カン
明日の朝も聞かせておくれ
いつものように聞かせておくれ
カン カン カン
カン カン カン
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そら豆娘はそら豆に似ている
みんなに"そらちゃん"と呼ばれては
プクッと頬を膨らませて
ちょっと睨む
今年もそら豆がおいしい季節がやってきた
一年のうちで今の時期だけは
ぼくは素直に
「そら豆が好き」
と言う事が出来る
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私は私の願望を止める術を知らない
変身願望 それは 夢見る魚
発狂願望 それは 路上に飛び出す猫
破滅願望 それは 膨らみ続ける風船
変態願望 それは ちょっとした隙間
道化願望 それは 100円ショップの枯れない花
恋愛願望 それは 降り積もる雪 あとから あとから
私はそれを止める術を知らない
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残酷な少女がやってきて
僕を恋に突き落とした
残酷な少女は落とした僕の心を踏んだ
何も知らずに
何も気づかずに
残酷な少女は敬語が下手で
落ち着きがなく
すぐにお茶をこぼす
残酷な少女は夢の中にもやってきた
夢の中でも残酷な少女は
残酷なまでに無垢だった