詩人:拓 | [投票][編集] |
そういう対象にはなりたくなかったから
頑張る君を裏切った
ただ気が向いたときに側にいれば
それでよかった
大切にして失うのが
怖かったから
君になら触れられても嫌じゃなかった
君に拒絶されたら最後だと思ったから
脅えて壊してしまった
悪いのは僕だ
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破けた隙間から覗いてみよう
窓から見ると雨は降ってないのに
ガラスに映った人影
羨ましい…
羨ましい…
合わせると感染してしまいそうになる
腕から溢れる赤い蟻の群れ
君のいなくなった部屋で
他にすることもないから眺めてる
床を汚しても文句を言う人はもう
いない
引き出しに君が残していったミドリのあめ玉がある
角っこに住み着いたちいさい魂
屋根裏から垂れてきてる
天井を走り回る赤ん坊
助けて…
助けて…
ふいに何かを思い出したような気がする
気が遠くなるような痛みが脈打って
離れない
君のいなくなった部屋で
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喉の奥を切られるような
悲痛な声に目が覚めた
眼の前にまだ
あの光景が…
頬を伝う涙
もう誰も不幸になってほしくない
君はとてもいい子だから、
泣くような思いはしなくていいはずなのに
どうして悲しませるのか
もうあの子を傷付けないでほしい
素直で優しい子なんだよ
強く生きてる人間なんていない
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心が通じないままただそばにいた
あなたは何を考えているのか
わからないまま
擦れ違いっぱなしでも
何も言わないで
僕はただあなたのことを考えてるだけだよ
詩人:拓 | [投票][編集] |
役に立たなくて
邪魔で
そんなのが自分なんだって
気付いてしまった
鼓動が聞こえて苛々する
自分の存在がムカつく
腕から流れる血を見て
ざまあみろって笑ってやった
こんな奴消えればいいのに
でも痛いのは自分の腕だ
僕は誰を傷付けたんだろう?
怖くて手が震える…
もっと切ってやりたい
壊してやる
詩人:拓 | [投票][編集] |
あめふり
くるくる
あか
あお
みどり
あめふり
くるくる
おにわのスズラン
ぴしゃ ぴしゃ
きいろいながぐつ
ママのかえるじかん
もうすぐじかん
あめふり
くるくる
ママのきげん
くるくる
あめふり
くるくる
だからぼくは
だまって
くるくる
あめふり
ある
午後の思い出
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水面揺らして
一滴
雫 落ちるように
波紋を広げて
ふえてゆく
ゆらゆら
揺れて
どこかへ流れて
消えてゆく
確かにそこに
あったはずなのに
なにもなかったかのように
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死にたくない?
見たことないような恐怖をあげよう
君は愛しの赤の他人
無関係だと信じたいだろう
今すぐ逃げ出したいんだろう
わかるよ
可愛そうにね
死にたくない?
痛いでしょぉ
汚いでしょぉ
あのサイレンはあんたを助けてはくれないよ
俺が助けてあげよお
化粧をしてあげるから
もう治らないよ
死にたくない?
鼻息荒いって言われたことない?
馬鹿みたいに震えちゃってさぁ
我慢しないで苦しみなよ
可愛そうにね
死にたくなってきた?
そう、
助けてあげるよ
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あなたの声が繰り返す
嫌いだった僕の名前
甘えてるみたいに
叱ってるみたいに
優しい瞳に抱かれて
そっと眼を閉じた
指先で髪を撫でるあなたの
静かな呼吸が、
鼓動が、
何より好きだった
ずっとここにいたい…
あなたが繰り返す
僕の名前
でもあなたはどこにいるんだろう?
あの道の下かな
家にはいなかった
学校のどこかかな
一人であの公園にいるのかな
どこにいるの?
どうして僕を置いてくの?
綺麗なあなたの名前を
何度も繰り返した
言う度に胸が痛くて
息が詰まって…
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飽きられた
僕は金にもならない
悲しいけれど
貴方はナイフを掴んで
出掛けにここを切り裂いた
遠ざかるエンジン音がバイバイの挨拶
中途半端な狩りに遭ったネズミみたい
ちゃんと刺してくれれば
こんなに苦しまなくて済んだのに
今でも時々夢に見る
貴方が手を引いた瞬間を